おむすびを焼き海苔でまくそのときに かほり立つ香に目もくらみつつ
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月曜日 となりのデスク 空いたまま 君は戻るが あの娘戻らず
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辛いこと お酒で見えなく させてやる 見えないだけで 醒めればそこに
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好きな娘は誰なの好きなタイプなに知りたいことは募るばかり
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厚い雲去りて広がる夕茜 ひととき胸の奥が温もる
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倒れそう なのによくもまぁ 踏ん張って 明日も会いたい あなたに会いたい
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見ているよ 顔を洗って 髭を剃る あなたを映すと 割れそうになる
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漏れ聞こゆ中学男子の恋バナに笑みをこらえる夕散歩かな
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大きな声 出してもだめな ものはだめ ここはあなたの 家ではないよ
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朝マックホットコーヒー追加して優雅に過ごす平日の朝
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唇の 上のカモメが 触れ合えば じゃれ合うような 赤面のつがい
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秋の陽の 背を暖める縁側の 虫の音は止みて 独り栗食む
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生足で生まれたままの白肌でさりさりささやく星の塵箱
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情けなくみじめで粗末なみすぼらしい、この恋心、名前はまだない
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「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎」電波越しの声雨多く 手首の傷は夜空の影へ
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鰻屋の換気ダクトの煙だけ嗅ぎたいことと恋は同じか
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オペ術は無事に終わりましたまた得意のスポーツチャンバラできますよ
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雨後の路 橙色をちりばめし 金木犀の儚き香り
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ちょっとづつ卓上コンロで海苔を焼き 肴に呑むを今日から始め(これなら低カロリー、しかも香ばしい)
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覗き込み「何読んでるの?教えてよ」君の笑顔が口を塞いだ
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大喧嘩 今だけ脳は 弾薬庫 言葉で君を 撃ち殺すから
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いと青き輝きの中我あれど君の中には天地あめつちのあり
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高山が朝の光に照らされるもくして一歩力を込める
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春が過ぎ君という名の花が降る 潮の流れに揺られる最中
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秋風の そよぎし丘は 目をとじて 眠れるものの 影もうすらぐ
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夕暮れの 南の空に 三日月が 目を細めては 微笑みかける
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平たく等しい事など絵空事 この世を構成つくる素材は理不尽 ⑦
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特盛のご飯を全部食べ尽くす 皿にはまだあるうまトマ定食
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頑張れば報われる…わけあるものか 報われぬ人 棚ぼたな人 ⑥
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吹き荒ぶ時の最中に春抱きし吾は星なれど君は永遠とわの空
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