山を行けば幹に苔生す桜ありて少し咲く花に風は冷たし
13
愛犬も散歩復活、ダッギーカーで移動もありか
9
孫も巣立ち、またまた冬来たり真っ白、春遠からじ
8
母からの 返信履歴 見てみたら 最多の文言「は?」「なんで?」「了解」
6
僕たちはもう二度とあの路地裏の店のマフィンを分け合わないね
7
泥棒や Adoやインコじゃなくたって 檻にいれられるみたいですね
6
幸せの定義はなんだ問い掛けて多分答えは生涯出なくて
8
クリスマス とっくのとうに 過ぎたけど プレゼントはまだ届かないの?
5
見出し語の「好き」にだけマルをつけた辞書 ひらけとも気づくなとも思いつつわたす
5
昔ここ何だったっけ建物が解体された跡地の前で
30
想像の十倍怖かった先生の死に顔は想像の十倍優しい
5
闊歩した昭和平成賑やかな街はベッドタウンの令和
18
「行い」を「行為」と書いてなんとなく悪いことした気になってみる
10
秒針は心臓よりもゆっくりと時を刻んだきみの前では
11
みちょぱとかやす子が同い年らしい何やってんだおれは一体
7
はじめて不老だけじゃなくて不死の薬もほしいと思った 春の夜
6
木苺みたいな未熟ないのち風船みたいに膨らんだ 春の訪れも知らぬのにまだ
3
冬の間にどれだけ踏もがクロッカスちゃんと芽を出す花咲かす
14
信号のボタンを魔法と信じてたあの日のおれまで否定するなよ
5
本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
39
吐きそうでせいを感じる今日もまた身体となかよく生きていくんだ
6
いたずらな時間を貯金できたならまだ二ヶ月しか生きていません
5
サムネイル あとひとつだけささやきつ気づけば夜が音もなく溶け
8
紋白も揚羽も飛べば美しくどんな花など取り合わせれば
6
曇天にかすみし花の色寒く弥生の月のついたちの月
18
海辺にて遠くを見据え船を見る父とは違う道を進みて
8
ああ春かもう春かなど繰り言を言わないでよと君に叱られ
3
公園の水道からの跳ね上がる水しぶきで濡れ急ぎハンカチ
2
両手でも足りないほどの「さよなら」を数えて僕は春を迎える
11
若さとは愚かさなどと言うけども弾ける思いはあの頃にだけ
5