蝶々の紺地の浴衣スタンバイ うずうずしながら じつと時を待つ
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私鉄から眺める白い積雲は連なっているピレネーの城ルネ・マグリット作
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愛犬の震えにずっと寄り添った 雷鳴遠く去ってゆくまで
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行きつけの 麺屋月末 閉める也 あわてて入る 夏の哀しき
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渦の外 ひと息ついて 風そよぎ 遠ざかる君 胸光り影
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明日には会いに行こうと思ったらもう目は開かない話せない
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洒落にならん。熱中症を舐めるなよ、水分補給と首冷やせ、生きろ
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お揃いのキーホルダーと積乱雲、踏切、蝉、逆光の君
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暑くない 風涼しいよ 良き方へ 研ぎ澄ませてく 強がりじゃなく
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この部屋に住んでいるのは空腹で出かけてもすぐ帰ってきます
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夏風に逆らい流るる揚羽蝶その行く先に花もあらねど
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蕾から牡丹松葉に散り菊と線香花火に女の一生
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純銀の 幼子の匙、赤い箱  己もかつて小さき体
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青が高笑いする八月の空ボクも笑うようにビールを飲んでみる
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雨後の風強し 網戸を揺らす夏 ぜつを振るわせ 歌う風鈴
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髪なびく ゆらり桜が はこばれて かのいとし子に 貴き御色
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彼女は彼に熱中症警戒アラート危険なアツサの恋心かな
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夏だねと空見る君は向日葵で 貴方を見てる僕も向日葵
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打ち合わせまでの二時間車中にて仕事と昼寝ときどき短歌
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土曜日の朝ラーメンの混み具合隣りは大盛煮卵ふたつ
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首筋に冷えたラムネ瓶 振り向いた君が笑う夏は遠くて
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藍色の海底にある鯨の骨を見る ボンベは片道分
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「月に行こう」「……地球ここから見えるぞ」「なら火星?」 ふたりぼっちも楽じゃないな
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遠き日にかわいた涙が窓をつたう 君はさながら夏色の硝子
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曇天と街のペッタリ茜色黄昏がへん野分けすぐそこ
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あかね空少し未来の君がいて今の僕らはそれを見上げる
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これはまた豊作なりや瓜カボチャ二人暮らしの夕餉彩る
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うれしきは投稿久しき我が短歌におなじみさんのいいね並びて
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ちま猫ちゃん さっかーぼーる⚽️が だいすきで いっち、にーの、さーん!で おめめまんまる
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おいしけりゃ なんでもいいが まずければ 責任とれよ 昆虫たちよ
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