箱の中
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純銀の 幼子の匙、赤い箱  己もかつて小さき体
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横歩く姿浴衣の揺れる袖  綻ぶ笑顔掻き消えて、夢
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人は声から記憶なら森の音  褪せた縁側鳴らぬ風鈴
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寝ては覚め、無心変わらず日々は過ぎ 我に返りて見た夏の青
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春愁や月が綺麗と死んだなら 贖い給え見知らぬ夜空
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捨てられず 場所取るばかりの要らぬ恋 空き缶みたい、踏み潰してよ
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幾千とその声姿夢に見る 忘れてしまえ、君は傷痕
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愛憎を君に言葉は焼き捨てて 地獄の底で待っているから
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二分割 いつかその日がくるとして ぼくの名前も置いていくのか
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思い出に肩を預ける横顔が 身を焦がすほど綺麗で嫌い
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