お電話ありがとうございます俺です俺を構成する42ガロンの憎しみ
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燦然と自らを疑わず 母が買いしピンクのガーベラ
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初夏つまむ君の箸先見つめをりセロリのあおさに気づく夕暮れ
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いっさいは過ぎていきます繰り返し目覚めるうちにもう朝顔が
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雨上がり 虹の掛かった 夕空に 願いをどうぞ お一ついかが?
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風呂掃除カビキラー足すカメムシのにおいこいつぁあ混ぜるなヤバい
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届けられ 荷物に赤字で 天地無用  わかるような  せないような
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腕を上げ翼が生える気がしてる 連休前の準備運動
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口笛の成り損ないは空へ舞い街を奏でる雨として落つ
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雨音で起きてまどろむ窓白し 届く子供の声は目覚まし
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お気に入りの傘にかれし向日葵で雨跳ね返しいざ進みゆく
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花束を抱きしめる腕直角に 花って意外と口下手なんだな
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公園で遊んだあの子は一番に幼なじみは五番になりぬる
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夏のよな 強い陽射しにひるむ午後 黄昏に吹く風なんと涼やか
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藤散れば完了形の「愛せり」と知りて気づける高三の夏/サ行変格活用と。
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静岡の霧中むちゅう視界の無い中で中島みゆきの「化粧」が止まる/ちょっとホラー
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校内で制服に光るキラキラを借りたタオルでそっと拭き取る
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静岡の海辺走りて並走すいさぎよきかな二両編成
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雨上がり 傘を忘れた 帰り道 風が光りて 心地良き道
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シャンプーを冷凍しては解凍す シュールな愚行も宇宙は愛す
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ところでさ昨夜は何を食べたっけ 答えられぬがビールは飲む母
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「疲れた」と呟く気力すら無くて電子のゴミを眺めています
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「帰るよ?」と伝える君を思い出し「待って」と呟いたとて独り
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陽を浴びて 畑にトマトの苗二本 摘み取る孫の 笑顔待ちつつ
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木肌より ポッと出づる ふにゃふにゃの 小さき若葉 希望の緑
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死滅したキラーT細胞たちを弔う力いっぱいの鼻息
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風の手も リンと鳴らせぬ 風鈴草 雨に打たれて ポツリと泣いた
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離れてもわたしの海を波立たす あなたはきっと月に似ている
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雨上がり屋上から見上げれば物干し台に晴れ間が見える
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湯気立ちて 眠気を払う ティーカップ ミルクの甘さ 心ほどける
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