Utakata
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mizuno
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冬風に冷えた眼球は冴え冴えと。夜明け前こそ最も寒い。
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夜は怖い。今日と明日の続く先に死があることを思い出すから。
8
野菜室みたいな空気に服も決めかね、コートのボタンを二個だけ留める。
5
老いと死を想像するだにぐるぐるとこわくて眠れないときのうた
8
クーラーから滴りおちる甘露かな。北の田んぼに届けてやりたし。
5
薄暗い部屋からトイレに立つたびに光が変わる。白、黄色、黒。
4
空気には昨日の雨が満ちている。スマホをなぞる指が湿めつく。
7
真新しい蛍光灯は冷たい影を落とすいつかの白昼の色
6
眠れない夜に響いて月の歌。瞼に差し込むスマホの光。
11
夕に出て、その明るさと涼しさに季節を思った。重い夜が来る。
5
そんなにも力を込めているとまた赤子の頭が潰れてしまうぞ
3
走りたい奴だけ勝手にやってくれ 狂った赤の女王のように
3
絶望と恐怖と不安の実感がひたりと足を濡らす冷たさ
3
色までも寒く思える白昼よ。隣家の漆喰を雪かと思う。
6
あのクレーン、もっと東にあったっけ。鉄獣闊歩し街が生まれる。
10
青空に雲はないのに新品の靴はずうっと痛いまま
7
うつくしくとてもせつない曲だけのプレイリストを夜更けと名づけた
7
網膜を叩く熱射の暴力に、コンタクトレンズのか弱きことよ。
5
雨の降るまえにと外に飛び出して帰るころには汗に濡れたる
7
いつも同じもう二度とない夕暮れにスマホをかざすパノラマ写真
10
黒塊の雲の切れ目に赫光が滴り落ちる不吉の真夏
6
暗闇の広がる崖へ確実に歩みを進める気分はどうだ?
3
君は明日の明日の明日のその先で確実に死ぬ。どうしようもなく。
3
朝八時に起きられるかってのゴミ出しに家庭の予定が規定されてる
5
友が去りし青暗き夜の野良猫の泣き声に聴く旅立ちの歌
7
何もかも思いどおりに動かない世界に馬鹿めと不貞腐れてみる
6
特別なものだけを見て、唯一のことをしたいよ、変わらぬ夜に。
4
屋上でバーベキューなどする者どもよ。天に雲なく光や強し。
2
思い出す
故郷
(
ふるさと
)
はなく、懐かしむ友人もなし、
夜
(
よる
)
はただ濃く。
6
眠れない夜の空虚はタブレットを触っていても無くならないのに
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