花粉症 くしゃみひとつで アレクサの ポールモーリア 止まる誤作動
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起きてからアクシデントが続くけど偉いぞ自分怒ってはない
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ビデオには 幼きわれと 亡き祖父と 粗い映像の古き思ひ出
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食って寝て出してまた食う同等に「詠む」はすっかり生理現象
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伝えたいことはなんにもなくなってそれでも短歌詠み続けてる
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陽射しよし今日は亡きの墓参り甥の車でおうなおきな
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罪もない あいつをさしてころしたら 君も地獄に きてくれるかな
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生き地獄 顔も見れるし声聞けど 笑顔はなくて 触れられなくて
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大腸の自律神経腹立たし TPO知れ今は電車ぞ
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風雪に耐えて美し桜花 気高くあるもかくも優しい
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大好きな母に抱かれて死んだ父「しあわせだつた」と友は言い切る
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土曜から ずっと引きずる走馬灯 笑わぬ君と 笑うあいつを
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『プカプカ』と昭和の空をただよつてあんたとあたい連れ添つてゆく
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おなじ賞応募したらばおなじ時巳年八度みどしやたびの祖父と刻めむ
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ネーミングライツで変わる公園の変わらぬ遊具歓声と風
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いつかこの喧騒こそが幸せと気づく日がくる酔つて遊べば
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仁徳の現れである過ちを見過ごさずして君子の心
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幼子の白き手あわせ祈るごと蕾ふくらむ木蓮の花 \ 彼岸にて
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「ありがとう」「また来てね」すら こない俺 楽しさはなく もう誘わないで
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無愛想 いつもの塩猫寄ってきて 俺の眼見ては すりすり慰め / お前にはわかるんだね
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夜遅く女が一人降りてくる北風が吹く最果ての駅
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愛猫の 凍みどけ土の付けき足 辺りに散らす悪行三昧 
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拳闘の敗れた甘さ抱き寄せて 初めてあなたの汗を舐めたの
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「理想的」はほとんど奇跡と知っていた 縮んだ?太った?去年のニット
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コーヒーは 朝昼晩と 飲む時の 役割全部 違うも美味い
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食べ物は 克服できたり するけれど あなたの克服 遂行不可能
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紅を指すの横顔に白妙の綿帽子見る春のまぼろし
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動物が人んの中うろうろと勝手に動き暮らす幸せ
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春めいた猫に遭いそな裏路地を娘の部屋へゆっくり歩く
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面会は流感のため取りやめと淡々と告ぐ電話の女性
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