いつかくる さよならを告げる その日まで ボクは「彼女」を演じ続ける
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好きなのは 君と一緒に 飲む時の おいしいねって 笑う顔
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親友と 一緒にふかした 紙タバコ 手につく残り香 親友の証 
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物置に仕舞ったままで夏終える 夏の始めに買った花火よ
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ソレジャナイ!雰囲気ふいんきと言うソウジャナイ!感情移入かんじょうゆにゅうもソレジャナイ!
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かぶとむし首に紐付け賽銭の箱に吊るして小銭を抱かす/安心してください、やってません!
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スシローで積んだ黄皿を指で折り百二十円を掛けて数え/黄皿は牛塩カルビが至高
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竿のの洗濯物がしおれてる乾きが徐々に遅れだす
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反省す自分楽しく詠むものの気味悪い歌せめて日に一
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不吉なる白いきぬが舞っているエクトプラズムの螺旋階段
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童貞の100%は巨乳好きママのおっぱい恋しいのだ
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歌の案書きだすノートに滑らせる右の小指に擦り込む黒
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窓の外見れば白鷺しらさぎ城が在るけれど詠ったことのない謎
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あと二百乱発気味の千歌目は師走のころに到達するか
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もう君は前進守備の二ゴロでも突っ込む運命さだめと走っている / 並木秀尊
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広義では抜けた髪だって僕自身 切り刻んでやる 切り刻んでやる
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ペンネーム アカウント名 本名を 呼ぶ声が私を定義づける
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久し振りに聴いた声が可愛くて 世界は素晴らしい そんな気がした
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婆ちゃんが病に負けた骨拾う吾の背中を撫でる気がした
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微笑みも嘲笑われたと受け取られ アンタからは何も受け取りたくねー
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宝石になるため眠りについた子ら 雪解け水を濁らせた罰
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逢いに行く口実はある無いものは行ってきますと言える身軽さ
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保存せず 消しちゃった時 なんか時間も 一緒に消えた
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虹色の団地のバスケのゴールにダンク決めるよ また会えるなら
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「妖精はいない」って言う度に死ぬ妖精みたいに生きるわたしは
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湖のほとりの畑らい年の豊穣を乞いキカラシ咲かす
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にほんじゅう どこでも埋まる じしんばくだん ぜんごにふるは 線状降水
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写真集三冊で換えるツーショット 幸せはいつも少し不健全
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落ち込んで あえて貴女に 言わないが いつも通りの 会話で上がる
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手紙をさ 書こうかなとか 思うけど あえて書かない 短歌うたにする
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