愛犬と鼻を蕾に近づけるまだ咲かないね首を傾げる
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窓映るシャツの膨らみ犯人は春風らしく夕焼けの街
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今年から 色褪せた桜並木だが 魅せられたふりで 幸せになる
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ダメなやつ連絡なんかくれないしそんな一年生きてきました/Break away
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再会に違和感伴う 我々は老いてきました 白昼の悪夢
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桜見る頭の中でプレスリー甘く歌って春の到来/スイート・キャロライン
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鶏卵は隣町から鶏肉はメキシコ産で丼にて親子
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予想ではあした開花のサクラたち五分ほど「どうだ!」って誇らしげ/ソメイヨシノ
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胸痛 過去は過ちの 寄せ集めでしかない 春休み
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昼の星チカチカキラキラ瞬いてキミと私の視界にいるの/カペラ
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目に沁みる風冷たさ左手のスタバのコーヒー風の温度に
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はじめての東横イン一人の夜にメルセンヌ素数について延々と調べおり
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荒れた家 汚れていても 家だった 親の介入 止められなくて
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燃え落ちる HOPEの煙が苦い皮肉 小さな箱から 引き抜かれてく
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「おまんこ」とだけ書かれしポストに初いいねつけてく夜のまにまに
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現実は 漫画のように いかないな 吹き出しの中 読めたらいいのに
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カルディで余分な物まで買ったかも😓 海藻スープのお徳用は要るマスト
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春の陽気に妻とならびてリュック背負ひ散歩がてらの買ひ出し楽し
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「頑張れ」の歌詞に勝手に傷ついて挫けたままで明日を迎える
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幸せは強すぎなくていいからね 今日終えたいと思わぬように
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夢絶たれ 土付き散った 千秋楽 賜杯抱く君 待つぞ高安
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壁といふものに囲まれあやしくも庇護されてある人のこころは
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あのひとのくちびるはいつも切れたままだからわたしの口も血まみれ
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みつけてもみつけても星にはすでにすてきなおなまえがつけられている
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ねえ、ぼくとこれからいっしょに堕ちてみない悪魔がささやく甘い罠Death
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綱取りを急ぎ過ぎるな大の里 腰を落としてすり足でゆこ
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柔肌の君を育てと閉じ込めて ローストチキン恋に焦がれる
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お出掛けは夏日手前の昼下がり 鳥の囀り日傘越しに聴く
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またひとつ年を重ねた春の午後 霞の向こうの明日を見つめる
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見附から歩き始めて見附まで汗ばむ陽気東海道の宿
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