時にはここに居るってこと知らせたく傘の石づき道に弾ませ
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久方の 笑いの殿堂 満喫し 次は貴女と 笑いあいたい
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目が合うと網膜認証 猫起動 甘え機能は最新モデル
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夕立ちが気温を下げてくれるとかもう無関係エアコンの檻
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人に優しく 自分にはもっと優しく そうできないならそっと離れる
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前髪という概念もあったよな 後髪さえなき 今 笑う
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潮騒は陸地の意味を問い続けぬるいみぎわはまだ薫らない
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もう遅い 出来てしまった首のしわ タオル枕に変えたところで
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ぬるくした長風呂頼りの数日がまたやってきた私のからだに
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「おかえり」と 迎えてくれているようだ 初めての地で 感じるふるさと
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なんとなく持って行き場のないものを 託してみようさらの便せん
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太陽は味方だったな年少時今は出てけと追い立てられてる
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慰めはいらないですという君に俺はほんとに何も言わない
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球体は調べによると「大丈夫です」しか言えぬ小さな機械
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殺虫剤のトリガーと似たようなものなのだろうこのひきがねは
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持ち歩く日陰なのだと夫に説き 今や堂々日傘男子
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備蓄米入荷とライン 価格知りいくつもの「古」がつくものらしい
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吉野家でなんだかんだで牛丼を食べる自分にいいねをあげたい
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夕暮れの 空があかねに 染まる頃 当直の吾子 他人ひとを救ひて
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苦しくて声の代わりにクラシック一音一音ぽろぽろ吐き出す
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『国宝』のカメラワークの美しき 喜久雄の紅の引くは艶けき
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ウインナー 軽く焦げ目をつけまして しめじにキャベツに焼肉のタレ(美味いよ)
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剪定をされ残り香を放つ木よ 痛かったろう 声無き涙
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退勤の空は一面ラテの泡 西の隙間に光るハチミツ
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星ひとつ君の睫毛に留まりおり 瞬きにより流れて落ちて
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かなしみを下敷きにしてしあわせの天からそそぐのを待っている
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水族すいぞくやかた 私は向いてない 床這ゆかはうゴキに 気づくはひと
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白濁の吐息を横目に 透明な言の葉、だんだん喉のたみへ
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砂つまみ 砂に放って 音がして 餌じゃないのに 鳩は集まる
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激病み担当大臣 就任す おい 国 俺に給料を出せ
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