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言の葉の種は播けども
三十一
(
みそひと
)
の花咲かせるは ほんに僅かの
21
海すらも土地の言葉で話すから訛り懐かしのたりのたりと
5
四四〇ヘルツをそっと見据えつつよろずの音を一にするのだ
5
情けない 愚痴ばかり言って ごめんねと それでも貴方が 愛しい夜
8
呼吸すら忘れ眺めたあの頃の空より褪せて二次元の夏
3
一年でいちばんながい昼がすぎいちばんながい夜へとあるく
6
黒髪に低めのヒール リクルートスーツは鎧 やわらかな檻
13
指先に魔法のように生まれ出づ気泡を追ってクロールの指
6
思い出に コンデンスミルク まわしがけ 甘くなるかな 虫が湧くかな
4
最寄り駅前 アーケード 明けぬ梅雨の風に
揺蕩
(
たゆと
)
ふ 七夕かざり
23
黒い蚊に肘のあたりを刺されたと 気がするだけでかゆい気がする
16
すれ違い 万物などを たどりせば 気に食わなくも 先ずは歩こう
14
二人分 薬を仕分け 息をつく 少し
堪
(
こら
)
えて 我が命つぐ
11
私たち もしも違う花だったなら 貴方は貴方 月が綺麗よ。
5
雲間から 陽が射したるも にわか雨 どっち付かずも 梅雨ののどけき
12
水色のレインコートの右腕で一位を目指し転がるしずく
2
AIに 依存したれば 国担う 若き力の 未来危うし
13
得意だよ不得意だよ 苦手だよ教えて上げる 世界はひとつ
12
パチパチと弾けるタイプの飴を貰う 祖母には一生敵わないみたい
4
「ドラゴンは空と同じ色してるから見つけにくい」と眼鏡かけるきみ
12
六十の壁を越えたるその先に好きな事だけ残していこう
24
今日行くは病院ふたつ今日用は薬の仕分けそれも人生
22
休みなく 優しい君が 駆け回る 忙しいのは 人がいいから
9
こぬか
雨
(
アメ
)
李下
(
リカ
)
に実すぐる
信
(
シナ
)
濃路に
露
(
ロ
)
地栽培の レタスわさび菜
13
請求書 金額間違え 修正を 依頼する部下 余裕なき午後
15
本降りの 雨音響く 午後三時 決済確認 眠気と格闘
17
雨樋の掃除の後の冷茶汲む ひかり窓差す サラダ記念日
8
目の前の 仕事を必死に こなすのみ それがやり甲斐 生きていく為
23
部屋干しの 場所塞がりて ワイシャツは エアロバイクの 肩に広がる
21
ミズクラゲ クラゲの中の クラゲだと 位置付けている それだけのこと
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