秋が散る掃かれる落ち葉に思い出と 欠片の見えし我が情か
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葉は落ちてあきらかなるは やどりぎの たまに見るこそ面白きかな
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土砂降りの拍手が響き頬ふるえ これさえあれば生きていけると
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カレンダー発送したと通知ありどこにかけるか壁を見つめる
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明けゆく夜眠い頭で想う君いろんな顔のどれがホントの君
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この頃は子ねずみひとつめずらしく しざりしざりに道を分けあう
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まるごとのあなたを愛す believe というより believe in の恋情
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チャンスを得ステージに立つ親友が奏でしギター羨み聴けず
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ぬばたまの一夜も落ちずいもへばいざ摘みにゆかん鬼灯の実を
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目のかすみ、動悸、息切れ、しわ、たるみ 僕らはそれを老いと呼ぶのさ
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抱きしめて抱きしめられて生きてゆくそれを僕らは愛と呼ぶんだ
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CDをスマホに取り込むすべがなくipod持つ前思い出す
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条幅へ初のチャレンジ手本とは似ても似つかぬ十四の文字
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王将の持ち帰り餃子たべたので 今夜は白湯をホットミルクに
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ファミレスでちょっと奮発大人気メニューを避ける昨日フラれて
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掃除中 ついつい浮かぶ あのセリフ 『今年の汚れ 今年のうちに』
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不甲斐なさかみしめ苦い汁を飲み 耐えて耐えてさ このありさまだ
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語るだけ 口先だけの あなたには  口先だけの 人がお似合い
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あなたへの最初で最後の恋文にあなたの名はない地獄で待つね
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この夜で最後にしようと言うのなら心臓の開き方を教えて
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「母危篤」醒めた頭で考える、バイトのシフトどうだったかな
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「誠実で努力家 時間を守る男性です」それよりもその変な眉毛のほうが雄弁
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戒名に「鳥」の一字を入れたなら 地獄の空も飛べる気がする
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あなたはわたしの誇りと母の声 やさしい呪いに抱きしめられ
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モノやコト 減らしていけば 本当に 大切なモノ 見えてくるはず
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遅き朝 息白くして 東雲しののめに映ゆる山の端 眺むはすがし /冬はつとめて
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カンヌ市に観光に来た宮司さんキョロキョロしてるかしこ見かしこ見
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群と郡が並んでひつじがこおりにいてもあまり寒くなさそう
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街灯が 仄かに灯る 寒夜時 顕に出でる 幽玄の相
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汗なんて かくはず無いのに 顔ぬぐう 気付かれぬ様 涙を隠す
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