三通みとおりの終点だけがあると知り存外こころ鷹揚おうようとなり
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豚汁と 煮物を作り 仕事行く 子らの帰省に 吾は休めず
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気が付けば小さなつぼみ沈丁花 嬉しい発見 寒い朝に
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過ぎし冬いぬの背走った静電気びりりとするたび駆ける思い出
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模様編み 目数めかず声出し数えつつ 話しかけるなオーラ出しつつ
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神集かむつど稲妻いなづまゆら千早振ちはやぶたれ息吹いぶきしずめれようか
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一瞥いちべつは何ぞ含みてさにあらん彼も彼女も世間そむきて
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仮借なく重ねられたる沈黙に私の青いゼフィルス 舞いて
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君の優しさに涙がでる半冷半燃のかわいいきみ
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東琴あづまごと つるをばぢて かなづるや つるよりの神語かむかたらいや
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せわしなくタイルの模様ほってる鳩 いいものあるか みなチラと見る
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食べちゃダメわかっているのに買ってもた 高カロリーのピーナツリング
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手がふるえカメラが苦手な俺だから 言の葉用ひ映像残す
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降り出した雨に打たれるカーブミラー映る水面は鈍色に揺れ
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旧校舎 西陽射し込む 図書室で あなたと 村上春樹に 出逢った
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安全なお茶の間から戦場の兵士をけなすような人をわたしは軽蔑する
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冷夏とか、君がうつすわたしはなんかわたしじゃないみたいなこととか
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空気読み奴隷しぐさでやりすごす 向こうがミスも大卒だから
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不動産関係の仕事なんですね〜!私は不動産Gメン滝島が好きです〜
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深夜二時、見渡す限りの水模様 荒れた心にさて何が咲く?
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突然に信じらんないなどと君から言われる事などしてない
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荒海に寒鰤が来る北陸の漁港に賑わい戻る季節か
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大根を買って来てよと母の声ついでに焼き芋買ってこよっと
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たんこぶを作る子どももいない今身体感覚あるのだろうか
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青い山流れる川も今は雪踏みしめ歩く足もと白し
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たらればと言ってクヨクヨしてるならやりなさいよね受験勉強
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竜宮をあとに旅立つ はやぶさは土産を落とし未踏の宇宙そら
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わかんない けどわかんない ほうがいい そのほうがきっと 面白いから
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触れてきた言葉知識を捏ね繰って せめて想いを短歌に込めて
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湯上りに ちょっと火照った その心 夢中になれる 熱気があるの
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