まあ素敵な毒リンゴローブのあなたにアップルパイを
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旅立ちに 携える物 無いけれど はみ出るほどの 想い出詰めて
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神様も寂しさ埋める為人を作ってちやほやされたかったの
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内海うちうみの小春日和を背に感じ猫ってこんな気持ちにゃんだな
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しのびよる 寒さにかまけ 部屋のなか そっと背中に 顔をうずめる
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短歌うた読めば心が踊りまた短歌うたを詠もうと気持ちがわいてくるよ
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初おでんトロトロトロ火に出汁香り銀杏祭りのギンナン入れよう
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われもまた御賃金には抗えぬ 二十五日の待ち遠しさよ
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慈しみ 育てた我が児の 亡き骸 拾う姿は 火鉢かな
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何あった人形劇で手首だけ「冒険に行こう」と拳上げ
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店を出て正しい人の群れになる舌に隠れた梅に気付かず
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うっかりと飲むとこだった 葉っぱかと思えば 羽虫がお茶に飛び込み
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思い出と呼ぶには痛い夜だけを挟んだ本も捨てずに生きる
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我慢とか折れるを選ぶこの私あらわにさせる相手の機嫌
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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車内にて若き日の曲流れきて日暮れ灯ともる頃も麗し
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風凪ぐ夜 マスク外して深呼吸 お疲れさんと半分の月
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お別れは 寂しいものと 思いきや 相手はさほど 気にしないもの
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さよならを カッコよく言う 練習し 笑顔でいれば 死ぬのもいいか
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生まれたら 死んでゆくもの 当たり前 人は命に しがみつくもの
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百年も アッと言う間と 思うほど 人の一生 風の吹く如
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いつまでも 元気でおれる わけもなし 目が見えるだけ 感謝感激
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右目には 眼圧下げる 器具があり 気味悪いけど 時々見てる
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さすが妻 夫の癖を 先読みし 要らぬの問題 未然に防ぐ
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仕事とか 職業とかは なくて良し 生きてるだけで 楽しくないか
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久しぶり 少し顔出し 定年の 退職前の 有休消化
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テセウスの舩を解体バラしておいて呉れ 此処迄が僕 其処からが君
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愛語なく昏くなりたる室もはや孤独に甘えられずおり
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風に負け 衝動買いする レジ横の 少し割高 コンビニおでん
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暖かき日差しに和む群雀暮るる速さに冬を知るらむ
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