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山の
端
(
は
)
に沈む日 秋の夕暮れは 僕と君とを 影にしてゆく
8
ドタバタと ファーストデート舞台裏 試着コーデの間違い探し
8
あさがおの つたの残りが ある庭は らいねんさく種 散っているはず
15
甲子園 熱闘終えたグランドに そよぐ晩秋の香り立つ風
8
心臓の 辺りが じんわり 暖まる ありがとうって 癒しの処方箋
9
大阪の赤い観覧車の下でやっと会えたぼくら、早口になる
13
小さき手に マメを沢山 こしらえて 逆上がり目指し 夕焼けを蹴る
31
この
温
(
ぬく
)
さサツキが二輪帰り花 お帰りなさいと独りで眺める
8
頭髮はどんどん抜けて 足の爪伸びるに速し
摩訶
(
まか
)
不思議なり
10
湖北にて鮒のなれ鮨 試食せば観音の道仁王さめやらず(匂う)
3
馴れ鮨は熊野の鮎と京の鯖 逃してならない近江の鮒を
4
一時間早く起きると決意しも三日坊主で枕抱きしめ
8
手紙には嘘を書いたのウィンドウに映る自分の顔が怖くて
10
流行語 アレでもなんでもいいからさ 明るい言葉が大賞がいい
13
ミニジョウロ見よう見まねで水をやる自分の芝はいつも透明
7
そうしきや しゅじゅつのように ひとのいきしに てれびでみてる
8
好きな色をつけたいから私はフルカラーベース春夏秋冬
6
アウシュビッツ とめられなかった じんるいは にどくりかえすと 後世につたえ /目の前の大量殺人
11
ねむれない花がどこかで咲いていて夜の風が波のようにさらう
11
いつも聞く 芝居がかった 口癖に 飽きがきたので 夏はおしまい
8
おろしたて ひらひらフリル 身に纏い 私の心に おめかしをする
10
軒端
(
のきば
)
にて
一本
(
ひともと
)
生
(
お
)
へる
芒穂
(
すすきほ
)
の綿毛眩しき霜月の空
9
文末をすぐ過去形にしてしまうこんなところもネガティブなんて
9
隙間から 冷たい光 さす朝に あと五分だけ 温いまどろみ
8
この世には神も仏も居ないけど拾う神ってどこに居ますか?
16
人生に後悔ばかりしています。誰か記憶を消して下さい。
14
百均のラブラブハートに茎が出た。そんなあなたは運の持ち主
7
分蘖を示すウスネオイデスはお湯のシャワーで出逢えた初見
6
一段と老いを進めて講習なるを受く自動車学校
12
攻め団扇「あんなのどう?」と聞く貴方 今日も踊るよ手ノヒラの上
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