起こりうる今日を数えて消えた今日 スノードームの空の静けさ
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無能です雇わないでと履歴書に書きなぐっちゃう前に封する
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くつくつとスンドゥブチゲの煮立つよう君の恋路の叶いますよう
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物騒な世の中だけどイルミネを見上げる時は心はまるい
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若返る薬があっても飲みません辛い人生延長なんて
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どうしよう昨日にループまた私フラれる君の前にいるじゃん
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寒空というほどじゃない赤の下、路端の歌手の「最後の曲です」
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枯れ葉下、いるかも知れぬ虫たちのことを思って避ける靴先
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タワマンも億ションもあるこの世界上をみてたら首疲れるわ
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去年来た暑中見舞いをふと拾い、LINEを開く秋の日の夜
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遊歩道コスモス摘んではしゃいでる少女たちを夕日が急かす
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いらないよ、機械と鼓膜の間だけ超ゴキゲンであればいいのさ。
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ケンタッキー今年も予約がはじまった バーレル何歳いつまで2人で食べきれる?
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起こされた春の陽気に誘われて次いつ咲こう迷子になった
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ねこ母はクリーニングを片付けて 汗だくになりアイス手に取る
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健診で心肺機能高くてもあなたがいると呼吸乱れる
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カーテンにくるまり日向ぼっこねこ ほどよく涼しく そこが良いのね
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どの順で 食すべきかと見渡せば 本命横の黄身(キミ)と目が合う 
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いつもなら いれないティッシュ ポケットに あさの風邪ぎみ わすれていたり /老人卒業 聖人となる
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あぁもうこういう日に限って どうしようもなく馬鹿みたいに青い空
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ファッションの 一歩先行くリーダーに 歩調合せて秋の風切る 
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道をゆく人の視線を一点に集める惣菜屋の行列
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おむすびを頬張る毎に 頂の先に広がる麦 黄金色 
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五十路なり買い物辛くヘルパーの提案あれど目利きは出来ぬ
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望まざる 合理化という引き算に 割り切れぬ思い 星の降る里 
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土と虫ついた大根抱きかかえ 自分で抜けた!と喜ぶ娘
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霜月と思えぬ日差しに汗じわり 冬の足音まだまだ遠く
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坂道を猛スピードで転がって既にここなの年の瀬はそこ
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妹らの責めるまなじり背けつつわれは示さん花の不在を
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山形のひっぱりまぜそば ご近所で 今日は一辛カラ 暑い日ピリ辛>11月だけど
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