夕暮れの微睡みの君にいだかれて死ぬか生きるかの瀬戸際にいる
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後光射すような汗染みおひるねのシーツはいつもやさしい香り
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筋トレに励んで全身筋肉痛反省しながらただ横になる
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猫とわれ 旅から帰るご主人を忠犬ふうに玄関で待つ
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君の名を漢字に変えて送信す。それが愛だと知ってほしくて。
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迷い気にかつてのわたしそこにいて声かけようか遭遇の角 / 遭遇の角
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交流戦初優勝は遠のいて 風呂場の椅子を洗っています
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暑かろう、汚れ防止のマナーウェア そ知らぬ顔の愛犬に問い
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夕暮れに水色なのは紫陽花で、先輩が死ぬ夢を今日みる
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乾涸びた蚯蚓ミミズを憐れむ間も置かず アスファルトを縫い這い寄る真夏
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「別にもう どうでも良いけど」口をつく その度 傷付く嘘だと知ってる
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優しさに応えられない苦しみが 喉につかえて窒息しそうで
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梔子クチナシの香を乗せ 夏の香を乗せて 君の頬と髪を撫でる風
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希望にも似た温もりと明るさと夕風の街夏至近づいて
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帰り道 号泣しては 座り込む ちいかわカレーに 救われる夜
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トラックボールマウスしか食わない獣 エンゲル係数バチ高過ぎる!
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病院の冷たく光る薄暗き廊下を見つむる五歳の瞳
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宵闇の とはいったものの ・・・・・ 何も浮かばず 夜も白ける
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弟と「硝子の少年」デュエットよ 家族団らんは食事とカラオケ
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明日こそ一矢報いる 憂鬱の雲を纏って正義を倒す
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病室に持ち込んだきりのパズルとか塗り絵も 今頃出来てるかしら
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煮立つ湯に青菜を入れるつかの間にあなたを想う時間旅行
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アクセルを踏み込み登る坂道を自転車で行く中学生徒
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雨の日に窓をくまなく閉めていく晴れは死んだよ喪に服そうよ
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思想家はうちおとされる星なればいまは冥府に大杉栄
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我先に 人混みの中 抜けて行く コンビニ寄って 寝るだけだろう?
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なれなれしい人は死ぬほど嫌いだが友達もっと増やしていきたい
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天才と呼ばれたい時期もう過ぎて俺は凡人言い聞かせてる
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雨音で先生の声聞こえない 仕方ないから眠るしかない
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「向いてるよ」 夕焼けに浮かぶ 君の言葉 "ずっと"思われ 私の今へ
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