迷い込み部屋から出られなくなったお邪魔虫を看取るLED 
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「高倉健絶滅してる?」と聞く君に 思わず吹き出す冬の夕暮れ
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高知三重 静岡長野 愛知すぎ 爆速列車 息継ぎもなく
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わけあってかえりにたべたにくまんがすこしゆうきをくれましたまる
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主人公ヒーローになると都会に出たきみの映画のエキストラになりたい
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死の淵に立って戻った辛さとは生死を問えぬ悶絶がある
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てきとーに切り抜きまくる人の顔 職場の人で福笑いする
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死ぬことに失敗したから言うけれど生きてる方が楽に逝くのよ
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祈ってるように見えたの我慢することはないから、この指とまれ
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ごめんねの 通知気づかず 一時間 あなたの気持ち 冷める昼食
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百万回生まれ変われば君なしで生きられるよう進化するかも
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こっちから ちょっかいだすと イヤがって 何かしてたら 邪魔する猫さ
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いつだってタコスを食べればTuesday TacoTueasdayを友達と過ごす。
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冬の釣り 悴む手指に熱すぎるLINEに三文字いいねと返す
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第二週。粗大ゴミの日、月曜日。白い袋にくるまってみる
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涙する 51N塗った人等しく願う平等のこと
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懐かれる優しさなんて持ち得ないけれどもなぜかそばにいる人
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築かれた価値と倫理が違うから見た目が好きと言えるみたいだ
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消えてしまいたくても 進んでしまうのでしょう 放り出された砂の道
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本日の最高気温は零度未満エンジンかけても氷塊居座る
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ハイトーン 東方越えて 神起こる 耳遠き母 しかと聞きいる
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東京で 君と寝た日の 午前五時 朝日が映す ビルとわたし
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喜びも失意も丸ごと私ごと受け止めてくれて ほんまありがと
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終業式、白さが世界を包む朝、布団が僕を離してくれない
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キミがまだスマホを見てるその隙に月に向かって飛翔しましょう
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腰上げて出したこたつで猫は伸び 半纏羽織れど吐く息白く
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年の瀬の夜中にこんがりフィナンシェを焼いた 罪ほろぼしのため それだけ
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轟音で走る地下鉄車輌内独り私を運ぶ西方浄土
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まっさらな真珠がすきよ 冬の日の夜の秘密のミルクみたいで
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仕事終えコンビニに寄るお目当ては期間限定ハイボールのみ
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