日課だと割り切ってから鈍くなる飾っただけのログボの山よ
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老姉は雪に埋もれた居に一人雪はねを待ち猫と語らう
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雪道を拾い食いする吾の仔犬『ぺっ』と叱ると蜜柑の皮落つ
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フライング生ゴミ狙うカラスたち生に対する執着を見た
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咳してもマスクせぬ人くしゃみしてマスクするのは人の世なりけり
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粉雪にカラスが飛んで子どもが走る今日は笑顔で登校してる
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木漏れ日のスポットライト 庭先にぺったり伏せて眠たげないぬ
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枝先の つぼみ見ながら 手入れする 梅の老木 風花かざはなが舞い
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凍てる地に春のつぼみは迷いつつ首すじ震え桜草咲く
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不条理を思う間も得ず陥った老ドライバーの驚愕さぞや(八潮陥穽)
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風が含む空気はふるるん固形 風が吹く、無垢な服を膨らましていく
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もどかしく大きな穴を見つめをり軋みつづけるこの足下も
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列島の大改造の綻びをまざまざと見せ八潮陥没
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感情を 揺らさぬように 生きている やけにまたたく 春のシリウス
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人前に立つために自分の心に嘘つくならば一人が吉さ
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不確かな2クリックにいらいらし老い我に合ふ1クリックに
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如月の 節分過ぎて春近し 春立ちぬ日に 雪は降りつつ 
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朝とあした 夜ときのう さっと無慈悲に 一日をおもう
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知らんふりをしてかわいそうになりたい 痛々しいものが好きでしょう
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「いつまでも」 と 「明日から」 は 同じ願いで相容れない
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お風呂に入ると 湯気とお湯に溶け出して すべて忘れた深夜二時
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陽の光、水もご飯も足りてない 私ってお花だったのかもね
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確実に冬季うつだがなぜかしら 雪が降るのを待ちわびている
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一面の雪景色星望むとき 不安の最中陽光の如し
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あなたの優しさで今日も生きています 冷たいベッドの中で言葉だけが全て
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下らない理由で息子とガチ喧嘩 どちらも引かず気まずい食卓
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愛が雪みたいに溶ける
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また昨日、期限が切れた卵五個 生食じゃなきゃイケると思う。
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青纏い 君と御揃の勝負服 モチベを保ちジムへと向かう
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眼差しが 混ざり眩しく燃ゆる火に 繭玉揺れて ここが居場所で
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