高慢な 人に感じる 辛辣な トゲトゲ感は 一体何だろ
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あなたには遺すものなど何もない大丈夫ちゃんと連れて逝くから
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ほうぼうで広げたアンテナぶつけ合い傍受の応酬暮れの事務室
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四十雀枝を渡りて囀ずれば冬の朝日に冴ゆる霜風
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シーソーに一人またがる幼子が意地で動かす動くわけない
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あんなにも空は遠く海は近い。 登るより降りたほうが楽か
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ファミリーだった 同じ犬種を目で追へば 皆で笑った日々の懐かし
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肌合わせ共にまどろむひと時に 居場所を見つけ心安らぐ
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今日の君茶髪に変えて雲雀なり飛び去る君の予感がよぎる
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パタパタと 軽くなりたる カレンダー 色なき風に 急かされて冬
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探しちゃう もう君に見せれないのに 私の名前のコアラのマーチ
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探しちゃう 見せると笑ってくれるから 君の名前のコアラのマーチ
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終電にあすへと生きるたくさんのあはれいのちは涙ぐましも
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この髪のどの辺りまで愛してた抜け毛集めてヘアドネーション
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人様ひとさまの 給料アップ 喜んで 十二月でも 話題は野球
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福山雅治がいるならいいか残業0時の帰り道だが/師走四日・五日?
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赤い糸辿たどって行きたい冬の朝 300kmも離れた貴方
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寒牡丹 見ることのない その笑顔 あなたは誰に 咲かされるのか
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冬日差し セコイアの木に 見守られ 歪な答え 恋の積分
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関東の小春日和の庭先にスノーブレード似合わぬ車
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過ぎてゆく時の速さに溺れぬようきみを楔と定めていたい
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永遠が人間界には無いなんて 教えてくれなかった神様が憎い
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横風が車を揺らす冬道は関東に入り無風に変わる
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早く着き 一本前のひかりに乗る 降りたい駅に 止まらなかった
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読み終えぬ図書をポストに返すとき真冬の空へため息ひとつ
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朝起きて鏡に映るその顔は乾燥しかけいさごのようだ
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揺れ動く時代の世相流されて振り返っては歴史と名付ける
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アル中の◯◯◯◯◯◯◯さけ酒をあお呷りて今日も酔い潰れけり
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雪道に自転車のれず「散歩だ」とスノトレ履きて珈琲買ひに
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べた凪に 平気で石を投げるやつ 壊したくなる おれをみないで
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