ズボンだけヤマトの人が集まりだす ラジオ体操するおばあちゃん
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ビルを出て隣の人に憑依する 雨の匂いするって思ってた
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雨音に耳を傾け夜がふける 畳に寝そべり猫を撫でつつ
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2本持った傘 君も持ってたのかよ
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君は一輪の花 その間にある、有刺鉄線の壁は心
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猫柄と思って買ったサニタリー ハリネズミ柄だった衝撃
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命って終わるんだっけ?また春が来て永遠がわかんなくなる
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気合い入れ やった結果が 空回り 気にしないふり 折れそうになる
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おしまいだ、って何度も感じた平成を生き延びた先のほんとうの終わり
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一人だと 衣食住すら おろそかに 相方がいて ありがたきかな
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ケーブルの規格合わずにプロジェクター 白布寂し初会議なり
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紫陽花の 死骸が発する色もまた そっと静かに逆巻いている
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雨のいざなわれ向かふ夙川しゅくがわは虫の音もなき静寂の道
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濡るる夜のほのかな月に照らされて凛と一輪遅咲き匂う
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このくにに体があるらしいけどそこには鏡がある本当は
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進化から取り残された猿たちは二本の足で立てるふりする
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昼下がり 空腹抱えて 自主室へ お菓子頬張る 親友の笑み
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事故多数TOYOTAの四駆リビングで無免許の子初のラジコン
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この家に私の居場所は無いのだ、と 知ってしまった実家のトイレ
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飽かず降る雨に包まる鎮守森 息深くせば緑沁み入る
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雨上がり紫陽花の花道端にかたつむり探すほらここにいた
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じんわりと雨降る前の湿り気を 振り払うように髪を束ねる
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うたた寝で時間を渡り歩く朝 まぶたがスイッチ タイムマシーン
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鬼忌み子 板を疾風と駆け抜けり 濡羽は果てに 雪被るらむ / inspired by 映画 「国宝」
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どこだろう「退会」表示見つからずいつだってそう逃げられないんだ
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改札の軒 水無月の つばめの巣 親鳥を待ち かおを出す
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この僕を雨から守るためだけに産まれた傘を持って君待つ
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朝起きてきみの布団にもぐったらなんとそこは温泉だった
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マスク下でかなりの変顔してるのに誰も気づかず講義はすすむ
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プレゼントにしてはいけないコンビニの花の全ては御供え用だ
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