花鳥風月
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草原の 青を覆ひし 白銀に 玉投げる児の 手の赤きかな
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ランドセルの 背中で隠す 寄り道は  作戦会議になる午後三時
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鍋の焦げ 火傷の跡も ひとつずつ 君と刻んだ 時間ときと思えば
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山深き 気の遠くなる 静けさに ヤッホと呟く 音は吸はれて
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背負うもの 背負わされるもの 深海に 沈められたら 泡となるかな
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駅向かう 人の流れる 窓際に 猫のびやかに 欠伸をひとつ
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仕舞い込み 蓋で封じた 慟哭を 錆びたナイフが 引っ掻いてくる
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袖長き 制服いつしか 身に添ひて そよぐ髪には 光差しをり
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救いにも 枷にもなり得る 正論の おもさはどこまで 伝わるだろう
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抱きしめた 温もり残りし 君が背は 母を追い越し 春を迎ふる
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風はらみ 指から離れて 弧を描く 紙飛行機よ 道標となれ
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ノートには 三十一文字みそひともじに 弾かれて 迷子のままの ことばの欠片
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一ひらの 小雪に乗せて 願ふ朝 行き交ふ人の 穏やかなるを
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年を重ね 変わるふたりも 悪くない 足に馴染んだ 革靴みたいで
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ポップコーン みたいに笑う 安心が 日常になる 君とわたしと
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満天の星と家の交じるに 遠くなりにし 郷を思ほゆ
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年暮れて 有象無象の 声なき声 包んで降らん 新雪の夜
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匂い立つ 茶葉が織りなす 紅の 舞に見入りて 砂の刻忘る
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返せずに しまったままの あのことば ためらいだけが 漂ひをりぬ
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元気でと 席立つ君と ぬるいソーダ 飲み干すことも できないままに
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かしましく 子らが友来て 汗かいた コップの氷河 宴の足あと
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日常の 泥の中から ときめきの ことばにのせる 三十一文字
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膝乗りて 触れなば逃げん 天邪鬼 君の前世は 猫じゃなかろか
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