窓の外 怒鳴り声みたい 風のおと 体をきゅっと 固めてしまう
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子ども服 去年のセーター つんつるてん 大きくなったと 思っていたけど
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右に姉 左に弟 くっついて 母の寝床は 暖房いらず
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炭酸泉に素足を浸し祈る 薄膜よ、我を守り給え
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ため息が 前線を押し さげたなら 真っ白なのは あたしのせいかい? / 雪女
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人生を語って、あなたが歩いた道を知って、長い睫毛に見惚れるのが恋

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好きな子に告白できず遠くからただ見つめ小僧すごく控え目
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店閉じた ラーメン店の 後継ぎで 食す嬉しき 巣鴨の処寒
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ネットにて おそらく調べられぬもの 最寄りのポストの収集時間
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曼珠沙華 大っ嫌いと言われるのも大好きと言われるのも怖い
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外掃除ぬしかたわら渦巻きの尻尾がいいね猫が付き
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やい民谷お岩に何をしたんだと問い詰められてもそりゃいえんもん
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お岩さん伊右衛門に何されたのと問いただしたら小声でヒソヒソ
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バケモノも高齢化してようかいご天井を日々ただ見つめ小僧
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だいぶ早い忘年会の日 近づいて クリスマスケーキも 予約まだだよ
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旦那氏が職場で貰ってきたりんご ちま猫ちゃんの頭よりデカい
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食い気味に「知っているよ」と言う三歳きみはホントに知っているような目で
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布団から出られないのは雪なのか寝ぼけた頭懸命に起こす
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親指に圧を加えて待つ逢瀬 二十三時ならまだ、そこにいるよね
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グッドモーニング    全ての場所は想像よりもちょっとだけ遠い
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遮光カーテンを 開ければ 秋冬あきふゆの 狭間の空が 見上げる程で
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掌にそっと結晶のせてみるじわりと溶けて冬が舞い出す
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二日ぶり「デカいう〇こが出た」と言い笑い転げる日々はいつまで
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V字描き低く飛び行く白鳥の見ゆる大地の白ひと色に
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おみくじをぐるぐる回し引き当てる大吉手にし蒼天仰ぐ
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あかるさに慣れてしまった化物は二度と夜には帰れないのに
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大空をパラセーリング羽ばたいてこれが「自由」の代名詞かも
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煮え切らない暮らしをほんの少しだけ あなたに褒めてもらいたいだけ
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ほくろとかシミとか、数えると増えるよ  じゃあ幸せも? ひいふうみ
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両手上げ「わからなーい」とリアクション見せられ思考がとまった会話
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