地を這いし 我が誇れるもの二つ 二匹の猫と ペンだこの跡 
6
電話越しの声ガラス越しの朝日いまはもうないきみの体温
3
道すがら 杖つきとぼとぼ歩く背に 母が重なり抜き去れず添う
17
見も知らぬ 国の政局 語るより 我が家の政局 固唾呑みて見ゆ
4
七夕のたどたどしい文字抱きしめる「ママが一生死なないように」
31
朝陽浴び 手入れの届きし紫陽花の 露を弾きて梅雨空に咲く 
16
茨城に桃狩り来たし山奥に電波消えたり車彷徨(さまよ)う
7
猫の腹  事象の地平  覗き見て  強き引力に  我還れざる 
4
komor
6
何かいる 背中がゾワッと総毛立つ なあわかるだろあの黒いアレ
3
マティーニはステアかシェイクか問われたら「面白いからじゃあシェイクにしよ」
3
〇〇の政治利用がナンタラと言う人だったら何ならいいの
3
晴れるかな? 晴れるらしいよ 予報では じゃあお願いね 洗濯干すの
3
食前の ノンアルコールの 梅酒飲み 別れる前の ふたりに戻る
3
枯れ果てた花は何も悩まない 枯れてることも俯くことも
8
妻に従い宅配用紙に書き込めば来週のメニューがおのずからわかる
6
午前二時 星のこぼれる音がしてあなたの涙拾いに行くわ
27
眼前を 透ける羽々 掠め飛ぶ
4
雨雲の 向こうに隠す 逢瀬かな
3
長すぎる 下積み経ての 蝉デビュー
3
渦を巻き カウントダウン 燃ゆる音
2
張り替えた網戸の出番がないほどの冷房依存致し方なし 
8
長い長い恋を片付けその後は新しいもの何も置けない
25
オルホンの溪吹き抜ける風のごと喉歌(ホーミー)の笛の音は鳴り出づ /2026年7月11日福井則之氏
11
臍の横に 20ccの 皮下注の 膨らみ持つ身 炎昼を行く
12
先制のゴールのボール腹に入れ妊婦のように歩くファビアン /スペイン対ベルギー戦
7
甘辛いブラックガムを噛み続け酒もお菓子も禁じたままで
5
湿度さえ 無ければ良いと 何回も 願って耐える 高いよ湿度 
8
心とは 傷が多いと 反射して  綺麗に見える 愛(かな)しき一部
13
横入りしてきた車の赤い目が 私を笑うように見えた日
8