どこまでも白き三日月導いて 踊り尽くせよ 全てを昇華し>盆踊り
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手垢つく「幻想的」っていふ形容 うたびとならばまずは使わじ
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人間が 勝手に決めた 花言葉 調べちゃったよ アンスリュームを
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コンビニで ひとつ残った メロンパン こいつが俺の 最後の晩餐
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半数は 地球を捨てて 行っちゃった 騒いでたのは そいつらだけか
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そういえば 今日だったっけ 最後の日 どこへ行っても 半額セール
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しわくちゃで豆できている手のひらをまじまじと見る寝室の灯り
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息継ぎをわすれたままのクロールで夏のまぼろし追いかけてゆく
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飛んで火に入る夏の虫 火に入らずとも 涼しさを 求めて休む 青い夏
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花火にはミュージックなど なかぶせそ どんといふ音そのあとの間
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「ふみ子忌」の暮れても暑さ残されて鳴きつづけるのはコウロギらしい
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どんと鳴る次の間こそやいとをかし 待つ間にかさぬさかづきと豆
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穴を掘り気持ちのすべてをぶつけたい彷徨い歩きて短歌ここへたどり着く
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あたしたち一緒にいたいだけなのに 足したり引いたり掛けたり割ったり
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死ぬ日まで 付きまとわれるとあきらめる 自己評価から逃れられない
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吹き出して辺りを汚すといけないと 葯を切られてユリは売られる
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少しづつぼんやりしていくあの笑顔思い出さえもやがて消えゆく
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ブラウン管泥にまみれた球児たち火の花開く網戸の向こう
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目に見えぬ花火の音はやかましく独りで部屋でただ憂鬱で
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二十歳ごろ道で拾った一万円何に使ったか思い出せない
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街の花火 流行りのドローンは飛ばねども 昔ながらの風情もよろし
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死にたいと生きている人いるなかで生きたくて死んでしまった人も有り
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信濃の瀬うつる詩魂の不死鳥は あまねく宇宙そらに灯りし希い / 長岡
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アパートの鍵を何処かに置き忘れ探し疲れたところで見つかる
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図書館でむぎゅむぎゅむぎゅと鳴らし行くクロックスへの視線の矢たち
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相談に そっぽを向いて 鼻ならし 髭をなでつけ 尻尾をなめる
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憂鬱で 落ち込んでても 腹が鳴る 恥ずかしくなり 思わず笑う
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気遣いてが送りくる写メ動画スマホを開く夕風の中
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君だから慣れて甘いが煙草苦しキス厭われた過去あるでしょう
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世の常も 暑さも変わる 変革の 時代を生きる 戸惑いながら
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