悪ければ悪い程よく回復すヨガ数日で痛み忘れる
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好きな人いるのかしらの疑問符を誰なのかしらに言い直してみる
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手作りのバレンタイに閃いて生活保護の身分を呪う
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期待を胸に 月は光る  雲を衣に 薄く細く
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湖へ急ぐ落暉はどの国の朝日となりや見送りにつつ
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神様に自由を願う交渉を歌に込めてサバサバ焼いた
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人生は有限です 寒い日は一緒に帰ろうお茶を飲もう
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予約した映画じゃなくて通販の番組録れてた ナイフを買った
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往き往きて果てなきユメは桜山 醒めて散りなば醒めずあらまし
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雪降らぬ街も今宵は雪化粧うっすら色づくナチュラルメイク
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ダイソーで探してみても無い物を他の百均で見つけ幸せ
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シャンプーをしているぼくはされているぼくにやさしくするこんな夜は
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ウーロン茶の氷かじりながらみてるだれかとだれかのかたい握手を
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いえきっと人違いです、とも言えず連れてこられた盛大なパーティー
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雨音の時計が部屋を歪ませてあの日のきみがごめんと言った
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ほんとうにこの駅なのか 自販機に見たこともない飲み物ばかり
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見上げれば一番星がありすぎてどおりでぼくは焦ってるのか
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キャベツさん 外葉も芯も余さずに 芯は薄切り 外葉は鍋に
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花粉だけ一足先にやってきて春はどこかで足踏みしてる
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早朝君忘れ物するわれも体操に鍵を持ち忘れ二人大騒ぎ
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近所のラジオ体操おはようのあいさつ交わす参加者達
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図鑑には載らないような思い出があるから多分AIじゃない
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早咲きの桜の報せふたつみつ南町みなみちょうなる地名を添えて
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髭剃れば少しはしゃんとするものぞ 明日は予定の一人旅ゆく
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血に塗れた彼のふるえる指先が沈む陽を纏う彼女に伸びて
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ただわたし確かめるすべが欲しかったあなたがここにいてくれること
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「好きなのに」夕日を背にしたきみの目に揺らぐみどりの炎がきれい
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きゅっと踏むあの感触を期待すも雪は虚しく風に散りゆく
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妻と子の元旦おみくじ凶だった別寺べつじにて今日二人とも凶 〔これ以上はもうあるまい)
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あーあって仰いだ天に星がいた。思ったよりもめっちゃいたのよ。
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