混ざりあう根拠のないともしびにひとくち触れた八朔ジュース
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夕立の音がかき消す啜り泣きバレないように起こさぬように
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すれ違うこともあるけど、てかいつも、でも俺らって割と良くない?
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春霞 夏や色付き 三ヶ月や 秋雲忘れし はや冬化粧
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夏すぎて まだまだ暑し 九月かな 子連れプールで ダイエットされ
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秋の夜の幾度も知らず浮世なり月の光もかなしかろう
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家庭科の授業あった?と聞いてみる振り返る君の髪が靡いて
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妹が 一所懸命いっしょけんめい テス勉を 明日がテストで 一夜で仕込む
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叶うなら貴方と月を眺めたい横に並んで同じ方角
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東より登る月の満ち欠けをゴミの日前夜に見かける愁い
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コンビニで買い物できない臆心とワンパンで作るクリームパスタ
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V系をクィアリーディングしてみたい 創る世界に個はいらないから
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枯れるまで 花瓶の中で 愛でられる あなたにとっての 花になりたい
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先生が答えを省いたあの午後にほんのりすりむいたままの胸
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一律に太陽を向く大輪が陽炎に揺れこわい、八月
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眼を刺した稲妻のあと間があってゆるく転がる雷鳴響く
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フォロワーになってくれる人が見つかると心の種が芽吹く気がする
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初声うぶごえで 二度目の名月 再来か 二輪が笑う 胸の中で
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来世らいせでも 君を伴侶はんりょに むかえたい  思える事が 現世げんせ果報かほう
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和々にこにこと 咲顔えがおでいれる 大人には  なれそうもなし 今日好天こうてんなり
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ヒロインに仕立て上げたるわが様をこれで良しとすわが日日にちにち
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涼風に犬の散歩の夕暮れ時馬かと思えば鹿駆け抜ける
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雷光の度に強まる雨音を一人聞いてる音の無い部屋
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雨の月 世心惑はし 水無瀬川 月やあらぬと袖のしがらみ
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色づいたカエデの葉さえざわめいて僕の心の雲は暗くて
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暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
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少しずつ寒さ近づく季節にはあの娘のカフェに入ってみるか
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遠い地の戦争友の力説も我は言葉の綴りを気にし
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夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
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あまがえる白き腹みせ窓登る 歯磨きの手をとめて観察
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