昼過ぎの洋画を横目に漫然と動物たちの村を開拓
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バスの旅友の居眠り横顔に我のみぞ知る試練があり
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でかいテレビが欲しいねとぼやく君 視線の先に小さなマツコ
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やわやわになったバナナを 粗く潰し レンチンバナナケーキに蜂蜜>ちょい足し
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紫陽花の葉末の露のひかる朝アマガエルじっと緑に染まる
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草刈りて青野の匂ひに安堵する梅雨の晴れ間の百草手強し
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本日を以て営業時間だけ 漸次ぜんじ短縮して参ります /太陽運営管理局より 「夏至」
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あの嘘も 仮面外した フリさえも 気づいていたよ 知らぬは君だけ
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絡まった 糸を切ること 出来ぬなら そっと手放し 過去へと変えて
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お盆には 餃子とビール用意する ちゃんとエビスよ じいちゃんが好きな
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太陽が自動ドアからこの国に入ってきたよおはよう世界
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あの夜に百年分の満月を撮ったのにまだ足りなかったね
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梅雨明けぬ 明けぬというに夏模様 空が風が熱まとふ午後
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夏到来 誤解するほど暑い昼 耐える体に ガツンとみかん
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手を繋ぎ あぁ幸せと 実感し これで良いんだと 滝つぼに落ちるの
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中年は シナシナちんこの 子守唄 ギンギラギンに 生きたいけれど
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ばかみたいに暑い太陽の下で塩むすび食べて歩く日曜
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行き先の定まらぬ旅 名も知らぬ町を過去にし進みゆく汽車
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温暖化 無駄な気温を 利用して なんか作れよ 科学の時代
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誰にでも 生きてく価値はないだろが 価値などなしで生きていこうぜ
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好きな人 五万といるぜ そんなこと 言って見たいな 人間嫌い
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お医者さま 治らぬ病気 治せぬと 決して言わぬ 商売上手
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甘くない メロンを食べぬ 地主殿 甘い甘いと 言わしてやるぜ
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短歌とは 貧乏人の 暇つぶし 啄木なんて ずっと手を見る
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暑ければ 裸になろう クーラーを 使わぬ世代 質素倹約
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眼圧も 耳鳴りもまた 慣れてゆく 恐ろしいもの 適応機制
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温暖化 疑い挟む トランプよ 日本に来てよ イランの次に
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藪医者も いいとこあるぜ 待ち時間 ほとんどないよ コンビニレベル
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炎天下 間口が狭い 階段の 入り口かすむ 雇用促進
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味噌汁をひと口啜り正午なり塩が嬉しい夏至のひととき
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