新品のノートに綴る初めての言葉みたいに大事にさせて
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一目惚れ その日に決めた サイズ良し 届いたソファよ 大きくなった?
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三日月と 首折れ向日葵 ぬるい風 虫の音軽やか我が道を征く
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永く一緒に居すぎたのかもね、コーヒーのぬるい何度目の薔薇
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あくびした喉にビールを流し込む 電球の熱になってもここにいる
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ビルから斜陽に照る街を見下ろす昔はここにもテナントがいた
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お醤油の焦げる匂いのほわほわとそっと早足火曜日の帰路
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途絶えた飛行機雲を眺めていた  父が乗っていると言われたあとで
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ゴハンまえ ねこの可愛さ堪能す 見上げる瞳の愛らしきこと
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忙しい時にはいつでも手伝うよ お互いさまだよ職場の仲間
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涼しさを送ってあげたい よく母も同じことをと 偲ぶふたり
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八月の あの日を繰り返さんとする  孫らに抗う 定時後のデモ
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いとしさで息が詰まって死にゆく夏 偶然触れる指がまだ熱い
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緊張も気疲れも未だ手放せず 生きることにもう少し慣れたい
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鳥肌が立つほどのいい女でもミニスカートが穿けず恨めし
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ねこいるし めったにつけないんだけれど 練り香水の金木犀すき>舞妓さんのやつ
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秋ドラマ 映画もつぎつぎ始まれり 初日を全部メモしとかないと
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うちのねこ 日がな一日 出窓にて この地域の 見回り隊員
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芳しき花 咲くまでの間も楽し 共に焦がれる短歌うたのあれば
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金木犀もくせいの 香りを切に 待ち望む 未だ夏の陽 背に浴びながら
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一日の勤めを終えた外科医たち談笑しながらモツ鍋つつく
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梨狩りなるものにいちどは行ってみたし イチゴくらいしか狩ったことない
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ふるさとのジャズが100周年なので 地下鉄でさえ ジャズすこし流れ
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黙々と食べ終えるのが早いほどおいしかったと思う事にして
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荷解き終えつとめを終えた部屋中のカードボードを平面に帰す
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夜の駅 終電のこころ 行き場なく 破月ゆらゆら 線路の夜空
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気に入りの靴下などを捨てました 大きくなるってなんか残酷
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イエモンの昔覚えたあの曲は意味が変わった口遊くちずさんだら
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もうすこし寝たい心のせめぎあい さすがに2時間移動の疲れ
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ちま猫はライオンさんに憧れて 首輪を3日でギザギザにする
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