この恋は 儚いだとか 数奇とか 形容し難い ただの恋 片思い
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狭い階段を 有って無い日から 目を背けて 3階まで運ぶ スーツケース
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恋は指 愛は爪だから触れていたい 傷つけないけど傷をつけたい
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めぐらせば ああしてこうして くいばかり してやりたいは できるあいだに
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きみいった じゅうねんかんと ははいった いちねんが おなじにかんじ たてつづけの死のよう
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見えねども 秋津あきつゆららにかろやかに 風の季節のおとなひを告ぐ
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一年忌 こんなようきの 日だったか 細部忘れた いちねんのはやさ
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知天命 人生初の四十度 同居の蜘蛛にぼやく午後二時
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街中でただすれ違うあなたにも 愛されたいと思ってしまう
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夏はもう終われどあなたの人生は続いていくよどうか生き抜いて
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ジリジリと焼かれるサンマの気が知れる 路上の我の処暑は名ばかり
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満たされて満たされていく反面で失うものの大きさ未だ知らぬ
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陽に灼けた鏡に映る顔を見て ミャンマー人かと思うときあり
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温帯に生まれたはずの我々は 亜熱帯に住む民族となり
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遠回りかもしれないが近道と思える道を進んでいこう
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だる猛暑の中 法師蝉 秋を待ちつつ奏でをる 遊歩道
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被ったらヤバいと検索 AIの理解がヤバいちょっと嬉しい
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首振りが逸れた途端に夏が来る
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恐竜のおなまえシールを貼り付けるそういうことが愛なんじゃない
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誠実でありたかったの疾患やコンプレックスを零してばかり
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白目剥き心の底より叫び歌ふメガネボーイは言はばひぐらし
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リズミカル ミシンの音が 響く夜 刺し子布巾ふきんを 6枚仕立てる
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葉月すえ一の猛暑日今夏まだ出していなかった冷たいポタージュ
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子や孫の面影重ぬ縁日の 君もいつしか母に戻りつ
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太陽の熱こそ恋の原動力 鳴く蝉もまた季節の奴隷
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夏の末 鳴き出した 最後の蝉が 遮る 二人最後の会話 
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歌人うたびとは誰もが心の演出家 いろんな視点で角度を変えて
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どこまでも 蒼く蒼く蒼き あをぞらよ あの高みへと 歌声よのぼれ
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きみはいつかわたしのもとを去るでせう。本当に好きな人、みつけてね。
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かなしいと叫べなかったあの夏の欠片がずっと手のひらにある
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