「健康」はやいばの上で回る独楽こま その危うさに気付けなかった
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八戸の長者の森の園庭の 鬼胡桃の実 なゐに落つるや(息子が通った幼稚園)
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馬淵川 櫛引の里 根城丘 なゐに震へし八戸思ふ
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エクセルの関数だいぶ忘れたり雇われ解いて五年目の冬
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ときどきは スマホ放り出し ねこなでる もふもふ成分 もふもふ・ふわふわ
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ら·くっくの つまみを指でつまみ上げ 焼き印押されて アロエを貼って/ら·くっくは、グリルの中で使うほうろう容器
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誕生日 二十歳を過ぎたあたりから祝いの返事ややスカしがち。
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かみさまのつくってくれた からくりの 日時計きょうもおはようという
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クッションの上 くっつて 猫と猫 丸くなりぬ 初冬の日だまり
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大好きよ 愛しているよ 言い続け 君から響く 木霊見つめる
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不信・不安・恐怖が黒く染める視界 良い色の存在も忘れた
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この電車 こんな時間に乗ってんの ウチらホンマは仲間かもしれん
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短歌すらむ気が失せるほどえた心振り切りまた筆を
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この世には何人か似てる人がいて 何回か取り乱す僕がいる
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心身の反応があって辛いのね。 そうなんだけど。そうなんだけどね。
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おみかんは 補充したので 疾く帰る ちいさなちいさな マフラー編もう(ちま猫ちゃん通院用)
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似てるから 優しかったあの人たちに どうして動悸が そんな理由で
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ひび割れた瓶からこぼれ落ちていく ただ境目がなくなっていく
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津波への注意解除とラジオ朝警報聴きつつ眠りに落ちて
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グダグダなバンド演奏愛おしい 若くもあったし昭和だったし 
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自販機が応えてくれぬ けふもまた かざすスマホの悲しくゆれて
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牡丹雪に見紛う野に咲くサザンカの真白く光る朝の冷気
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祈りには何の機能も無いけれど捨てられないからゴミにも出せない
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たくさんの御守りぶらさげ 神様がいない世界は歩けねえってか
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積読が崩落するか無事なのかまず気にかかる震度4かな/無事でした
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いつだって職場の床は針の山 脳はプチプチ刺激に弾け
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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指が出るルビンの壺のような背を出発点とし滑らかにゆく
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金木犀モクセイの終わりて寂し 散歩道 椿の白の美しきかな
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地震なえののち寝返り続く幾度目か考妣こうひならびて静かに座せり
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