さらついた 気持ちは全て 任せてね この手は愛でに ぎゅっと固める
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妊婦みて 幸せ詰まったそのからだ 吐き気しかない 人間失格
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動乱の血にかざられる予感をばはらんで咲きしこの百日紅サルスベリ
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讃美歌で回した経典チップチューン お天道様の量子化もすぐ!
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腹の蟲 出たら絶対触らない 近づけるなよ 潰したくなる
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本当に好きな人には逢えぬから誘われるまま掴まったりする
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私たち贅沢したら駄目だからウィルキンソンで乾杯をする
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蛙泣く 雨降らしてよ天仰ぎ 流る泪で からだが枯れる
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母さんが「今日は誕生日だな」って還暦過ぎたどら息子でも
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炎天に孤独の影はくっきりと詩人のすてた句のひとつある
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「永遠に」よりも「来世も」君が好き その方がなんか とても嬉しい
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炎天の静まりかえる北の町 警戒頻り猛暑日三日
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猛暑日の誰にも見られぬ花畑おしろい花の色の鮮けさ
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盆前に海へ行こうとチェリー落ち天変地異の惑星バニラ
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小さな手がさす地球の横 じいじは火星に住んでるの? 無限にひろがる娘の世界
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歳とれば怪談なんぞで泣きはせずただ階段で膝が泣くんだ
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風船を手放す空に呟いて強くなろうね返事はしない
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温めた豆乳熱く飲めなくて冷たい豆乳混ぜて飲んでる
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どうしてもあなたが欲しい欲しかった負けて悔しいはないちもんめ
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全集中 それだけの事でよかったの 姫にかかった呪いを解くには
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さめぱんだ触っちゃうのに買いはしないネバーランドな渋谷のIKEA
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働くよピンクの花束買えるならにっこりスマイル殺せ心を
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あのひとが最後に残したのは『お前は生きろ』という呪いでした
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戯れに埋めたアボカドふと見れば腰の高さ越え肩の高さ越え
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繁忙期 蝉時雨聴き 考える 蝉ほど必死に 生きているかと
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一人きりエレベーターで降りる時つかの間孤独何もしゃべらず
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駆け抜けた文月と二人抱きしめる瑠璃色の湯や側に新月/爾今
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川に沈む男を「帰りましょうよもう」と放置された自転車は言いたげに立つ
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横断歩道の白線踏み歩くあの頃より少しくすんだ白
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我儘を聞いて我こそ白眉の野花 指折り此岸四十八夜
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