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さらば夏声尽きるまで鳴き続け空へ溶けゆくいのち儚く
7
宿命は努力の果ても届かねど運命ならば変えて生き抜く
11
「その服がいいね」と僕は言ったけど うっかり腕の 時計をチラリ
10
記念日を覚えてくれて燗つける今宵は早めに久しぶりに
9
朝月夜
夢中夢
(
むちゅうむ
)
覚めし東よりかすかに薫る明日のけぶり
9
良き豆がそれぞれの風薫らせて 淹れる悦び溢れる幸せ【後編・店主】
12
タヌ猫が そこでおかおをあらってる あめふるのかい? いやいや晴天
19
スクラッチ 5連勝中の わが母よ そんなに当たるもんでもないのよ!(本来)
14
時刻表 るるぶを携え 小旅行 あのわくわくが 今はもう無い
19
爪先もかかとも削る覚悟なくシンデレラの姉にもなれない
13
トライアル 見切り時間を 教えます 朝6時から 4割引に
8
言葉など無くても
触
(
ふ
)
れるだけでいい 猫に伝わる 人の気持ちは
31
鬼退治行くはずだった桃太郎 僕のお供は「居ぬ」「去る」「来じ」
16
庭隅のチョコレートコスモス地味なりて秋の風情に合ふと慰む
31
朝6時世間が動き出してない気でいる私早く起きろよ
9
公園の木陰のベンチに赤き葉のふたつを伴に秋を思ひぬ
33
炎天にミニひまわりは萎れ咲く輝き薄くも我が子と思う
26
陽が落ちて 辺りが薄っすら暮れる頃 鈴虫の声涼しく聞こゆ
19
炎天下 アスファルトより 陽炎立ち 蝉の声さえ 重く響けり
16
八月の 葬列に並ぶ 蝉達の なき声きこえ うるさいなあ
5
「濾過できない思いはやがて結晶に」十代最後の自由研究
13
珈琲の香りで巡る世界地図 玉飾り
生
(
な
)
る高原の風【中編・客】
15
ぬくもりが 途切れた筒に 乾く蜜 何がいいのと 目尻は笑う
4
今わたし 右ストレートを打ったのよ あなたはダウン 夢だったけど
7
ひらかずの 蕾に水、と 君もただ 根腐れ待つか 枯らして留める
4
実家には
ベビーパウダー
(
シッカロール
)
のあることを ねこ母 なんとなく覚えてたのさ
18
あさ目覚め歌が生まれて働いて夜風に吹かれてまた生まれ
12
ひとねむり タイムマシンか いつかの日暮れ
4
君の背に君のこと詠んだ歌を書くようなイメージで微かにたたく
5
わが
太刀
(
たち
)
は抜くも虚しき無銘刀 月みて
流離
(
さすら
)
ふ
誰
(
た
)
そ似たりけり
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