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この恋は 儚いだとか 数奇とか 形容し難い ただの恋 片思い
7
狭い階段を 有って無い日から 目を背けて 3階まで運ぶ スーツケース
4
恋は指 愛は爪だから触れていたい 傷つけないけど傷をつけたい
7
めぐらせば ああしてこうして くいばかり してやりたいは できるあいだに
18
きみいった じゅうねんかんと ははいった いちねんが おなじにかんじ たてつづけの死のよう
10
見えねども
秋津
(
あきつ
)
ゆららにかろやかに 風の季節の
訪
(
おとな
)
ひを告ぐ
17
一年忌 こんなようきの 日だったか 細部忘れた いちねんのはやさ
20
知天命 人生初の四十度 同居の蜘蛛にぼやく午後二時
21
街中でただすれ違うあなたにも 愛されたいと思ってしまう
12
夏はもう終われどあなたの人生は続いていくよどうか生き抜いて
9
ジリジリと焼かれるサンマの気が知れる 路上の我の処暑は名ばかり
19
満たされて満たされていく反面で失うものの大きさ未だ知らぬ
8
陽に灼けた鏡に映る顔を見て ミャンマー人かと思うときあり
19
温帯に生まれたはずの我々は 亜熱帯に住む民族となり
23
遠回りかもしれないが近道と思える道を進んでいこう
8
茹
(
う
)
だる猛暑の中 法師蝉 秋を待ちつつ奏でをる 遊歩道
19
被ったらヤバいと検索 AIの理解が
凄
(
ヤバ
)
いちょっと嬉しい
7
首振りが逸れた途端に夏が来る
6
恐竜のおなまえシールを貼り付けるそういうことが愛なんじゃない
7
誠実でありたかったの疾患やコンプレックスを零してばかり
6
白目剥き心の底より叫び歌ふメガネボーイは言はばひぐらし
9
リズミカル ミシンの音が 響く夜 刺し子
布巾
(
ふきん
)
を 6枚仕立てる
29
葉月
末
(
すえ
)
一の猛暑日今夏まだ出していなかった冷たいポタージュ
21
子や孫の面影重ぬ縁日の 君もいつしか母に戻りつ
14
太陽の熱こそ恋の原動力 鳴く蝉もまた季節の奴隷
6
夏の末 鳴き出した 最後の蝉が 遮る 二人最後の会話
8
歌人
(
うたびと
)
は誰もが心の演出家 いろんな視点で角度を変えて
17
どこまでも 蒼く蒼く蒼き あをぞらよ あの高みへと 歌声よのぼれ
18
きみはいつかわたしのもとを去るでせう。本当に好きな人、みつけてね。
7
かなしいと叫べなかったあの夏の欠片がずっと手のひらにある
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