神仏の通ひみちには 夕陽差し すすき輝き 神在かみありを待つ
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息継ぎがあまりに下手で世の中を犬かきくらいのはやさで進む
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最期まで タバコ愛した義父だった 吸い殻までも きれいに並べ
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このピザ屋2回来たことあると言う 誰と来たかは言わないままで
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みずからの両手を捧ぐあえかなるみ空のむこうガラスがわれる
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人のこと変えられないと分かってる 自分が変わるしかない だけど
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代休は子どものためというよりも先生のため気付く月曜
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レンチンもめんどくさい日もありまする カップニャードル フタ集めるし
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夕暮れに ピンクのウサギを 抱っこして 車に揺られる 公園の帰路
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二歳の朝から晩までしゃべってる ずーっとずっーとしゃべってる
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旅先にいるかの如き新しさ 人無くひんやり始まる早朝
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様々な患者ひとと接して得る刺激 くたびれかけた我を動かす
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おじいちゃん 昔の話ししないでね 自慢話に聞こえると孫
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可否・疑問なべて答えは「大丈夫!」ぴしゃり会話はなりたたなくて
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万葉の越中遺跡をたどり行く 能登は夜ぴて野分が荒れる
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台風の余波にて多くの兎跳ね千里浜ちりはまなぎさドライブ独り占め
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奥能登の谷間に小い さき五輪塔 苔むし並ぶ平氏代々
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いくさとは勝ちも負けるもうら悲し蛍となりて闇を彷徨さまよ
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ひっそりと墓を守りて八百年 時忠卿 子孫の 供花の白菊
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自在鉤座敷に下がる鯉の紅 重ねて深し輪島塗りの技
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鬼気迫る御陣乗太鼓の鬼どもと舞台に並べば野分の迫る
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夢を見た 花の生活青春よ 起きれば広がる大砂漠
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バイト先 送る連絡 サボタージュ 何故かあふれる 泡沫の愚痴
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なんか良し通る大人に会釈され会釈で返す着ぐるみの彼
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赦せないひとをだんだんミュートしていないようにしてゆるせない
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故郷の雪の便りを聞きながら都会の底に埋もれていく
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棚雲に いちめんの茜 色づきて 人の世の夕焼け 美しきこと今更に
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プチ旅行終わって おしゃれ着あらってる その次、コートのクリーニングだ>まだなんだ
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その年の流行りの歌と懐メロのBGMと老若男女
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涼しさに ねこたち寄り添い毛づくろい ねこ用まくらは ふたりでつかうよ
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