ぽっかりと胸に何かが空いたよな 気がするけれど見たくもなくて
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宿押さえせっかく行く気になったのに 酷評噴出 万博どうしよ
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何もせずただぼんやりと空を見る そこに溢れる豊かな世界
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これは君しか歩めぬしるべ 辛かろうけど行けば良い/都々逸
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どの事も中途半端となじる声 聞き慣れそうと気づいて止める
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各々のレールが上下に交差して出遅れたぼくはマントルをすすむ
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嵐の森、悪夢の夜、さいごの日、まだきみを指す赤い針先
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夢洲の 厠詰まりて ただ壊れ 万博の仕舞い 早くなりしか
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ベランダの朝 風は止み さえずりの聞こゆ青空 穏やかな春
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朝も早よから ぼーるけりまわし とびまわる うちには ねこ型・妖精がいる
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デコポンの房ひとつずつ噛みしめて この半玉はんたまで今年はおわりさ
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納豆をちんまり小鉢のよそ行きで完食うながせまり物かな
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盆栽に 芽吹めぶきし若葉 香りたる さすが桜や 餅欲しくなり
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散り終えり 盆栽の枝 葉のかげに 返り咲いたる 小さき桜
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大粒の夕立上がり明星の道には空洞影か光か
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鶯も 春の日差しに 誘われて ちょいと一節 歌い出す
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空遥か 予想どおりのしらせきく 春の賑わい 胸ぞ潰るる
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泣きながら朝飯食へば泣き黒子海苔を食べればホクロがふえる
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娘待つ横田夫人の歌つらく無理矢理裂かれた絆をかえせ
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父にしか出せない味もあるだらう母にくらべて薄味でもさ
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子育ての歌は「刺身」と俵万智消費期限にきづくキッチン
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家人寝てから帰り風呂立ち飲みの酒のつまみは歌集・ナッツで
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太極拳始めたばかり手と足の動きをどちらか間違いしばしば
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山吹の花の盛りに来てみればかはづ鳴くなり井手の玉川
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かはづ鳴く吉野の川に影見えて岸の山吹今や咲くらむ
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散り果つる花のゆくへは知らねどもはるかに送れ峰の松風
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愛だの恋だの騙っても朝には忘れるわ ツンと刺さった香り以外は
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美しいから誰とも群れなくなりました どうせ咲いても枯れゆく楽園
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紺碧の 雲一つない 空の下 今日は一体 何をしようか
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息子から カニが送られ 喜べば 金もないのに 無理してないか
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