失って 貴方が感じた その種は 「喪失」ではなく きっと「不便」で
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配電盤点検詐欺か本物か見積もりに来る日までドキドキ
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新しい刺激を求め愉しんで飽きたらしまい次を探して
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スカートでわざと揺らした尻尾すら見ようとしない、「自由でいいね」。
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恒例の百kmマラソン近づきて夕暮れ時はランナーが増え
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今日の日は悲しい調べ南風夫婦喧嘩の自分を恥じて /慰霊の日
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「電話しよう」君から言ってくれたけど 電話より先に睡魔が訪う
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最初から間違ってても君がいい負け組たちよ愛らしきまま
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最近は外れてばかりの天気予報おかげで付いたよ空を見る癖
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来世ではもっと早くに会いたいね。もっと綺麗に別れられるね。
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ベタだけど最期のデートは海にしよう。BGMのあてならあるの。
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あなたって濡れた髪をほっといて風邪を引くひと こっちにおいで
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なくしても からっぽの棚にキャンディをひとつずつでも集めてゆける
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息子には 彩り弁当 作る朝 我の弁当 茹でた素麺
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ひりひりと右腕だけが日焼けする四十五分の車通勤
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ラジオから懐かしい歌流れてきて泣いた 歯医者で口開けたまま
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梅雨戻り心なしか安堵する 季節の巡り変わらずあれかし
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気のおけぬきみが引き出し狩るさまに合わす心地もまた癒しかな / プチエール
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軒下の 白い紫陽花 風に揺れ 上に笑顔の てるてる坊主
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道草を連日食ってた本屋さん今月末でお店を閉じます
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ほの白く昔のわれは空蝉の葉裏に宿り羽となるまで
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蝉が鳴き始めたら夏で蝉が鳴き終われば秋ならいいのに
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擬人化が好きなんじゃない本体のままからきみに惹かれていたよ
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あからさまな批判はできず「注視する」同盟国といふ名の属国
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親の手を払う子どもが徐行して縁石踏んだ僕を見ていた
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雨上がり夕暮れ間際の太陽は不思議な色で空を染めてる
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夢を狩れ 大地を蹴って び上がれ 目指すものはそこ 手に掴み取れ
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白熱の電球揺れる部屋恋し LEDの冷たきほだ
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おもひきやいはほのごとくありし日の歴史は砂となってながれて
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昼休み マクドに立ち寄りふと見れば 隣で上司がポテトをむさぼる
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