白鼠の浴衣をまとう君は言う「ふたりで金魚を育てようぜ」
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梅雨は明日あす戻りくるのに 空梅雨の余熱の夜半よわの 部屋に冷房
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鼾かく私の腹に落とされた 女房からのミッドナイトハンマー
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ガンマンの早撃ち技のカッコよさ でもこれ真珠湾攻撃の二番煎じ
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ご褒美にネットで本をポチッとな 届く頃には次のポチッとな/謎のご褒美(笑)
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愛されず放水路に流された アカミミガメのなきがらがゆく
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核施設ゲームの如く撃破され 働く人の死の臭い無し
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煮えたぎる土中をようやく逃れ出でてアスファルトの上身を焦がすかな
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アイドルの松田聖子が言えなくて 老化の朝を悲しく思う
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夕の空 短歌うたの神様降りて来ず 早よ帰れよと ただ吾を急かす
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Utakataをともにす言の葉励みなりなじめぬ歌は勝者のことわり
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ブラフかけ でたとこしょうぶで ディールかけ あとさきみずに 助言容るTACO \詰まると逃げるトランプ
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ベトナムやイラク・アフガンに懲りもせずMAGAキャップ氏はB2を飛ばす
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花と鳥こころのうつろい ふたかたの いまを記録か 記すればもうかこ
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標ありて みちのながからん 刻なくば いまかんじつつ うすれさんじる今 \はじまりとおわりは仮説 いまがあるだけ
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楽しみは 朝の菜園見廻りて 日に日に育つ茄子の黒き実 
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心音と蠕動音と呼吸音 抱かれた胸が全世界なら
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残念は 念がのこるで 放念は 念をはなつか ねんきんきゅうふび
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何も悪いことはしてないなのになぜ薬を飲まねば眠れないのか
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セミが人間語を話す寸前に死ぬというのを知らぬ幸福
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蟹みそをほじくりながら脳内に一瞬よぎる人みそのこと
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気にしないことができればもう少し友人だった人のくつした
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綾鷹を回転させて波音はぽちゃんというかびちゃんって感じ
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変態にならないように生きるのに興奮をするタイプの変態
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おにぎりへしづかにつめた哀しみも「おいしひ」といふ人の哀しみ
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白ということを忘れたA4のシワをなぞって生きていた日々
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ただいまとジャストナウとのあいだには割といろんな意味たちがいる
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「詩集とかあんまり興味ないんよね」 by 前のわれ テセウスの船
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ききと言いららでも魔女でもなくそっときりんと返すばあちゃんがいた
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ラムネではない白い粒が袋詰めにされて金とそれを取り替える
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