五人掛けカウンターのよな吊るし穴一個とばしで干すゴルフウェア
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上の句は溶けてしまつた下の句は海馬の尻に刺さつたままで
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バカでかいチョコはトラウマ赤い袋あいつの机のフックでゆれる
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たけくらべ幼なじみが好きだつた独りよがりと知つた虚しさ
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初めての歌は小五の恋の歌「チョコもらってもうれしくもなし」
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3日ほど ちま猫 夜中に大暴れ 呼べど諭せど 聞いちゃいなくて(苦笑)>寝不足
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早起きし 優雅に 無糖のいちご紅茶 「水分のみ」の採血の朝
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路地照らす 春灯見上げ 我想う この儚さや 永久のささくれ
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反転す鏡に映る 面持ちの心の中は そのまま映り
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惜しみなく花木の若芽萌えいづる老いる家にもときめきの春
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まだわたし 別れが上手に できないの。 ほら見て月が、 ほら見て犬が、
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無くすぞと思っていたが今朝見ればどこ見回せど居ない先っちょ
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バナナとか送り迎えの介護士が母の捻った形状を告げ
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あいつかと光る君へを観た後の百人一首を読む楽しさよ
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執着もゲップ出るほどし尽くせば消えぬものかと飽きぬこれきり
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春のどか女城主の里往かば地酒とカステラ土産と決めし
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心臓の欠けたところに嵌めるのはあの子がくれたガラスにしよう
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じっとりと煙のごとく細長く山裾隠し里覆う雲
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嗚呼無常 桜舞い散る哀れなり 友を弔ひ在りし日偲ぶ 
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午後九時に早く寝よとの鐘が鳴るそんな所で育った時代
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晩春の法円坂を登りゆく女学生らの歩みゆったり
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うなされて夢から覚めた泣き顔にお似合いの朝 紅茶も切らして
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おお神よ! 鳴り止まぬ腹と 罪の味 あるのがいけない あるのがいけない
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絶対に親より先に死んでやる 心に決めた三つの頃に
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自販機の大帝国は幅利かせそそくさ帰る深夜二時ごろ
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春だねと声をかける人がいない俺を待たずに降りしきる花
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壁際に流されていた人たちも同じお金を払ったライブ
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第四の壁を破ってぼくは今あなたを見ている背けるな目を
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帰り道 蛍光灯がおかえりと二回瞬き後ろ振り向く
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四足が二足歩行へ進化する君の成長人類の歩み
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