気の早い初夏の風吹く通学路夏服のよなミズキの白よ
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少しだけ昭和のことを懐かしむ ちょっと酸っぱめゲイシャ珈琲
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ちょびちょびと白湯を注げば香り立つ 手淹れの豆はゲイシャと決めて
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何故僕は?がどうやって?に知らぬ間に変わっちまった生きていますよ
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九千四百二十六を三百六十五で割って ふーんと言う俺
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居酒屋の常連客の顔見知り みたいな感じ うたかたの人
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暖風ではらりと舞った桜たち新たな春のあわさが薫る
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白髪はくはつのままならぬ身体の母の愚痴黙って聞いてやればよかった
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どんよりと雨だったのか道濡れて周りの山が今朝は見えない
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このような狭い部屋でも何故何で落とした蓋が見つけられない
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青かった バナナは一気に 食べ頃で そんなに食べれず 買い物下手で
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人知れず一人芝居の初恋のような花梨の花が咲いたよ
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猫も風邪 ズビズビクシャン こりゃイカン 朝一番の タスクは病院
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ほぼ初夏の陽射しの日々をりながら花々見れば卯月は卯月
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ゴルフした米の問屋が云つたこと本当だらうか来年下がる
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浪人を決めた子をもつ親もまた悩んで歩むもどれぬ道を
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蒲公英の綿毛とばした君たちもいつか飛び立つ歌をのこして
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発売日人気商品買うためとほんとは一緒に来たかつたんだ
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話したり 言葉を理解 できぬのに 猫は仕種しぐさや 鳴くだけで
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変装は帽子とマスクと声色と支払い方法d払いにし
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二時間後変装をして買いにゆく一人一ヶのポケモンカード
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あさおきて かごでてまねく しんじゃがに ついついにくじゃが つくってにど寝
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「大漁」の海は弔いのうた読めば鰯を焼くも祈り捧げる \ 金子みすゞの詩と清水寺の襖絵
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窓を開け 朝の空気を 吸ひ込みて 静かに過去の 扉閉めゆく
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神の猫よ 好きで迎えた私より夫の方が溺愛している
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学校に少しは慣れたか一年生タンポポ色の帽子駆け往く
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風温し 苅田を見れば田起こしの トラクターの耳に心地よし 
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いつの間に 寝たのだろうか ここはどこ みたいな感じ 記憶を辿る
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あなたから貰った物のいちばんはこの傷ですよ。失くせないから
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明日もし世界が終わったら を 九千四百二十六回問い続けて今日
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