トンネルを抜けたらそこに夏がいてナスを抱えてきみを待ってる
17
ステゴサウルスみたいな雲を眺めつつ知らない校歌をクチパクしてた
7
夏本番採れ過ぎ野菜どうしょうお裾分けしてレシピ探して
6
都会では 佳境を迎えた シンフォニー のんべんだらり 田舎住み蝉
7
十年でたった十個のスタンプに十周年の店主喜ぶ/毎年通院後に寄るカット店にて
20
目の前のくらしといのちに執着し いしずえ崩しし賢(さか)しき世代よ
8
ちま猫ちゃん じゃぐち(蛇口)のまえで まっている おみずいるのかと だしたらおりる(謎)
22
ブルーベリー その一粒で 飛べるなら 野鳥よおいで 仲良く分けて
33
アイスティー氷がみんな溶けちゃって歌はやっぱり出来てないのよ
6
ビーサンでギコギコ回す自転車や潮風はこぶサンオイルの香
11
酒は百薬 長なるを説きし 漢書の意 くみし我 致し方無し
4
我妻へ きっとこの手は 離すまい 終わりがふたりを 分かつまで
12
白タオル息を吸いこみ嗅ぐ 深く まだ登別の硫黄が香る
19
選択と淘汰と適応繰り返し 揺るぎなくたつ このディストピア
12
プランターに苺ミニトマ実の生れり あふれるほどの水やる幼
28
夏畑に見知らぬ葉っぱ戦ぎおり 翁に問えばこんにゃく芋と
25
いつになく孫襲来に気の重く 微睡かけて…夏の落とし子
9
雨あがり 歩道の草花 輝きて 朝の蜘蛛の巣 宝石のごと
16
台どこの 窓の向こうに 夕顔が 一夜限りも 夜空に咲いて
19
母と子と融合したる自転車に 人間魚雷の覚悟を観たり
10
義姉(ねえ)さんの記憶はすぐにこぼれ落ち介護認定 残るプライド
28
朝なのに 日傘の下でウォーキング 樹間の風に 心救われ
22
ブランデーレモンジュースにコアントローさてこれはなんのカクテルでしょうか
2
ちさな菜園 たわわに実ったミニトマト 順繰り色づき 笑顔の孫(きみ)待つ
16
夏休み 共に楽しむ 気持ちになれば 太陽・虫も 味方になって
11
池袋電機の街(まち)に変わりしも品変わりしもデパ地下人気
5
洪鐘(おおがね)の 響きゴーンと 何おもう 煩悩すてて 仏を拝す
5
名を呼べば 寝ぼけまなこで駆けつける 律儀な愛猫(きみ)は 吾のよりどころ
20
この車列 どこから来たの どこへ行く? 勝手に巡らす人生譚
14
灼熱の風に揺蕩(たゆと)ふ蜃気楼 風鈴の音(ね)と蕣(あさがお)の青
31