通勤路 れた道を 歩み行けば 八重桜見頃の 日曜日
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ベランダの洗濯物や満艦飾 春風煽る生活の色
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悪役の非情な台詞に酔いしれる赤いマントを膝掛けにして
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高らかに謳われるきみの人生の最終章はぼくだけのもの
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台所にふたり立つ 寂しがり猫も来る 一畳に一家揃いし幸噛み締め
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吾のお気に 手のひらサイズのハンカチを 「なんかハンカチみたいなやつ?」とキミ
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なんでしゅか?に 「フゴ」というのが おへんじよ ねこのおへんじ いろいろなのよ
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クライナー ストロングゼロ シーシャバー あたしを学生(笑)たらしめるもの。
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とろみ剤どんなもんかと低脂肪牛乳に入れ飲めば美味なり
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悪いのは ぜんぶ僕だと 謝って この話まで 終わらせる俺
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一軒の 古い花屋が 壊されて できた空き地に 三軒の家
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まだ冬を 引きずるつもり 旅立ちの 鳥鳴き交わす CLOUDY SKY
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去年より半月はんつき早く食卓へ青菜と塩もみ胡瓜きゅうりの酢の物
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手を眺め亡母呟く独り言大きな手ならばもっと仕事が
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どうしたら よかったものかと 亡き人に  問い続ける君  同行二人
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早緑に萌える銀杏いちょうを前にして落葉おちば季節ときは忘れておこう
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指先で弾きテープでひっつけてやたら多いな春のカメムシ
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アルカイックスマイル見せて君は行く誰にもホントがばれないように
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愛してた過去形になるその前にもう一度だけ抱きしめて欲しい
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つぎつぎと膨らむ枝を見上げたらうすももいろが光に混ざる
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よく見るとツツジの蕾並んでる 順番待ちを楽しむように
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風薫る 湯につかり 腑と葉が揺らぎ 枝の素速く 駆けをる栗鼠リス
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春色のメッシュを入れてブランコに乗ってる子たち令和の生まれ
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娘の誕生木ハナミズキが咲き誇る 遠くから見ても分かるキミん
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パソコンで「青空朗読」をクリックしラジオ代わりに名作を聴く
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その人の名前ひと文字酒汲みて同じ空をば眺めつつ酔う
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口腔にC2H5OH酒精の甘味と刺激受け 鼻から抜ける気化した香り /「美酒の『味』」
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青色のクレパスばかりつかってた君の見ていた世界が知りたい
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夢だとは知りつつけれど嬉しくて朝目覚めれば君の香が立つ
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北国の血を引く我はザルらしく 楽しくほろ酔えたこともなし
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