孤独なる薔薇の棘はね頑なに己を守る為にあるのよ
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薄氷治した奥歯で噛み締める 電気が通るひとつ閃く
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貴女との 出会いを縁と 感じつつ 来世は夫婦で 短歌を詠めたら
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無人駅ツバメの親子巣におりぬきみだけの待つ家に帰らむ/帰省
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どうせなら一緒に死んじゃいたいからさ 同じ遅さの拍がよかった
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ウクレレを 背中に背負った 小学生 練習前に 金魚へ語る
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幼き日カニ取り遊びし沢へゆけばさみどり色の飛び交う蛍/帰省
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食欲の有無は日により異なりぬ 十年暮らしてもせぬ愛猫きみ
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雨あがり 円を描いて 颯爽と 我の頭上を 舞う燕達
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差出人不明の古き茶封筒開けばあしたの道は変はらむ
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極寒のさやけき夜空飛ぶはまだ知られぬペンギン真昼の夢の
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ケンカ腰これじゃいけないもう少し私が変わらなければならぬ/反省
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遺伝子がどう並んでるか、お前には、お前にだけは教えずにゆく/国宝 俊介
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褒められて 愛されたことも なかったな 情けないけど これが現実
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あれもだめ これもだめだと 言われても 生きている限り なんかやらかす
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やりたいと 思うことさえ いけないと いままでずっと 拒まれてきた
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発泡スチロールのふたにしっとりと 寝ころぶ背中 バナナ一房
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やればまだ いける思うも もういいか いつまでたっても こういう感じ
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ひとつだけ持っていくならなにがいい? 寂しさを持って無人の島へ
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いい加減 適当にする 人生も もうすぐ終わり これでいいのだ
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目がかすみ 仕事もいずれ 辞めるかと 思うだけでも 身が入らないな
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糸垂らし 小慣れ囁き 繰り返し 乱し淫れて 残る空白
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霧雨の庭に一輪薄紅のムクゲ開花す真夏の花よ
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ヒノキ風呂 ねこが熱燗?のんでいる(笑) ぢゅのさんの絵本「旅するにゃんこ」>歯医者の待合に何冊か置いてある、モフサンドの本がすき‥😸💕
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漫然と背丈を越えた夏草が隠す小道を鼻で指す犬
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目覚めどき背中を撫でる母の手に包まれたきや赤子のように
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いつになく沈む心は気圧のせい 光が差せばきっと笑顔に
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それぞれがつくため息のその意味の内訳示す機械があれば
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しぶきつつやがて小やみの夕立は祭りのあとの帰り路に似て
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花の命を知る前につぼみから一足飛びにドライフラワー
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