スヌープドッグのスープストックで頼むミネストローネだとか菓子折りだとか
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おとなしい祖父が野菜の馬に乗る 多分恥ずかしそうにしている
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とうもろこし 高校野球 缶ビール じいちゃんおかえり一緒に見ようか
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持参した 薬の残り 数えるごとに 旅の終わりの 影重なりて
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あたしの手そっと触るそのくすりゆび煌めいてるの愛の証が
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ヤれるかもトロッコがゆく、NOエンジン本州ドンズバ超滑走の旅
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あの人がはにかむだけで高僧や学者は時間を捨て去り踊る
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父さんが ふざけて足の 親指を  近づけてきたから E.T.をする
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来た人が皆泣く葬儀の終わりかけに火を放つ 世界線の私の目は鴎に似てる
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傾くなら 傾き通せよ この命 残り火消さぬ 豪火となりて
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お盆でも暦どおりに仕事なので土休ダイヤと言えど平日
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体力もパワー、スピードなくなって 残ったものは己が「信念」
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セルフじゃない レジの最後の セルフレジ あれ?すみません ポイント付けたいんですけど
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ブルーベリージャムがぜんぜん減らないと初めて気づくひとりの暮らし
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かねたたき叩くやみ間にたずねきくいらえを持てばともどもに
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破滅の日どんな人間になるのかな? その様が具体的になってく
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文字だけで争うなかにまことがあって同じ痛みをちがうことばで
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魂を迎えてくれる虫の音が あの世とこのの心繋いで
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明日こそ またぬる湯にぞ 浸かりなむ 今宵は眠気に負けてやろうか
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消えていいそう聞かせつつ蕭条の夕日暮れ染むスーパーへ行く
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この世には 自分に似てる 人間が 80憶も 生きているんだ
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お盆でも 学童保育 利用して 淋しい顔の 子供とおかん
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カニ食えば金が無くなり ほうほうほう 無ければないでなんとかなるさ
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職場まで カギを貰いに バイク乗り やって来るとは うちの奥さん
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盆迎へ 参道の先 逃げ水が 我を手招き ずっと手招き
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「牧神の午後」をカーラジオで聴きながら首都高速を夜駈ける
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にらみマウンド気分で投球研究 百球一的いってき 吠える快感
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人生の結び目解かずに逝きし人 花手向けつつ 夏空に問い
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窓の外を見る救いを求めて見るみんな幸せな顔をしている
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梅雨のよな蒸し暑さ経てまた猛暑 残暑というより二巡目の夏
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