「愛してる」言葉がなくてもわかってた わたしの怠惰で失ったことも
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ベランダでポテチを逆さに開けてみて何も変わらぬ そこは東京
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すりガラス 青い教室に一人 ペットボトルの 水面ピクニック
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聴かずして声も聴けない貴方より聞かず通じる草花の声
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ズッキーニへたに込めたる圧力はアフリカゾウの前脚の爪の
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宇宙人の研究所 吾のラベルは決まらずも薬は減らぬ
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ポイを避けポイを破って私達どこへ行こうとしているのだろう/金魚すくい
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集中映像No.2 モニター越し私を見ているあなたと目があう
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夏川の輝きうねる長髪の娘包みし母の眼差し
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ご機嫌なリズムを奏でる君の口 私が聞きたいのは言葉なのに
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紀文の豆腐そうめんは低カロリーなので好きなだけ食べて良い
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東京はホーチミンより暑いそう どっちが熱帯だかもうわからん
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日めくりの重石を除けてダンゴムシ丸まっており やあシモハンキ
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いいね!が付かぬと嘆く君 私はね 君の事を詠んでるだけなの
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早々と 過ぎる月日に 追われつつ 今年も残り あと半分に
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決めつけをそっと手放し見渡せば あなたの世界風が吹き抜け
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お砂糖と レモンスライス ローズマリー 七日寝かせて 夏へスキップ
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友人に 近所の神社 紹介す 「それは私の おいなりさんだ」
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いまだ恋ひ 絶え間なくあり 君去りぬ 我も人恋ひ また君求む
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キンタマを ピシピシする絵 浮かんじゃう おいらの頭脳 厚顔無恥こうがんムチ
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さよならと背中を向けて帰るきみ思わずタックルかまし「飲み行こ!」
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子どもらの子ども時代を記憶することが大人の大事な仕事よ
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爪研ぎを 畳スリッパで する愛猫きみの 無邪気な姿 笑う真夏日
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我は君 命預けたにこいちを 「いらない」云われ しんだ孤独死
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他人から吊り下げられた個性というアクセサリーに私は埋もれる
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私もう 貴女のことをいいわけにするはやめたの 死のうが他人
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懐かしく 暗闇にいる同胞の 吐いた言葉に わかるいいねをつける
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Tシャツに汁飛ばさぬよう慎重に麺口元へ箸の上げ下げ
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どうしても 「ありがとう」だけ 云えぬ我 子らに教わる 素直な気持ち
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こんなにも海は深いし空は広い あなたに分かる?この美しさ
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