パソコンとOSにさへ「相性」があるとふ説に首ひねりをり
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薄紅の王女のごとき富士の山魅せられし君癌の貴公子
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ママ祈る おやすみ前の読み聞かせ 図鑑じゃなくて絵本であれと
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どれにしよ 辛い・生もの・添加物 君のいない日 ママの楽しみ
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山あひに 群生むれに咲くカタクリの 恥じらふ様に姿美し 
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春待ちて春告鳥は歌ひ出す 人や野遊び花便り待ち
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説明を しようとするが 考えを 伝えることは いつでもがた
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真夜中のインターネットを海として クラゲになったつもりで泳ぐ
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恋なんて枯れてしまえよチョコレート郵便受けに突っ込んだ馬鹿
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罪もなくつらくて苦しい境遇に落とされた子の笑顔尊し
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四十路とは疲れが喉と内臓にやってくるのね二つ学んだ/生き方の工夫
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病院のベッド点滴見上げる天井なんで涙がでるのかな
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花束を拾い差し出すあなたの手なくてももう霧中を歩ける
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バス停に並び見上げる冬の星まばたく度に広がる宇宙
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飽かず降る雪の着地は風まかせ友を待つ間のフロントガラス
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土脉潤起つちのしょううるおいおこると云うけれど関東平野に春時雨無し/七十二節気より
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今日から明日へ、そして昨日に 日々の揺らぎ、時の戯れ
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猫ならば許されるだろう 君の側でずっと寄り添い眠っていたい
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まだよくは分かっていない二歳児の息子よもうすぐ兄ちゃんになる
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シクシクと「寂しい」なんて泣く長女 三歳はまた姉さんになる
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ねこの手に そっと手を重ね 撫でるとね ちいさなあたまが 手の甲にコテン
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寒波続くあまりの寒さに玄関のドアのから母われ見送る
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心臓が昨日の夢に溺れてる流れる赤も知らないままで
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同僚ともたちの お子ら卒業入学で めでたき春はシフトせわしく
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オッドアイ白猫みると まだ泣ける 十七歳にはなれなかったね>亡き長女猫・けいにゃんへ
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三月で終わる番組あと何回君に逢えるか数えて過ごす
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が笑う嘘の明るさ扇動し真冬深夜のぎっくり腰を
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あの日から琴線触れる言葉だけ探してきたわ冬の坂道
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細き糸の紡ぎし春の絡まりて余寒に老夫婦ふたり熱茶を啜る
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連絡も入れないでいるの/zoning/鬱陶しかったこんなのだって
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