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雪像の 山のなだれに 道しるべ 霧吹きわたり 樹の雪衣( ゆきころも) 道無き道の つがい影
5
いつの間にわれを気遣う年になり孫は手をふり家を出てゆく
36
「もういい」と夫のことば遮りて目の前の河みないふりする
24
種が落つ器の音は桜色 種がいっぱいポンカンだから
18
この怒り湯ぶねに流せるはずもなく夜空見上げて怒鳴ってみたし
28
感覚で投じる票の危うさよ思考を捨てる流浪の文化
29
風騒ぐ春よ僕らを運んでけ愛しい君に出会える場所へ
20
冬椿花の色さえぼやけてしまう絞り開放焦点は君
7
南風
(
はえ
)
吹きて予報は伝ふ五月並み ベランダに出て確かめてみる
27
除雪目印
(
めじるし
)
の棒のテープははためいて曇り空行く白鳥幾多
25
春来たり 水の冷たさ 和らいで 朝の空気も 私に優しい
17
押し入れの闇に目をあく雛人形 光の日々を遥かに見つむ
35
暮れ六つの公園 春一番吹く 北に見ゆるは 北斗七星
29
パソコンの画面を泳ぐ222。しばし考え日付と気づく
15
ちょっと前 雑草魂 はて今は 個性と防御 サボテン魂
21
収集のヴィンテージデニムに一億円 芸能人らしぶっ飛ぶ価値観
39
ようやくにカフェインハイの醒めたれば
静寂
(
しじま
)
に疼く
消去
(
デリート
)
念慮
16
推敲の堂々巡りの木阿弥に螺子とは知らず一歩進みぬ
16
おもひよりはやきながれの事の端をすくわむとあむ言の葉のあみ
19
薄紅の 霞たなびく山裾の 眠れる森も目を覚ましゆく
27
誰しもが 訪う歳を意識せず 気付けば大人 どころか夫なう
6
牛タンをたんと頬張り短歌詠み 静かな夜と交わす鍛高譚
10
一
(
いち
)
聞けばこの子の百が解るのは離れていても母さんだもの
45
辛かった苦しかったね母さんに打ち明けてくれて嬉しかったよ
35
若さには傷付くことは多けれど堪えるよりも泣いていいんだ
35
言えなくて誰にも相談できなくて辛かっただろう苦しんだだろう
33
手違いで神につくられたガガンボのかろやかさ、それは天使に似て。
9
泣きながら震える声で「お母さん、今行っていい?」察するに余る
30
真名仮名を綴り織り成す物語 誰を温めし布となりけむ
13
幾年
(
いくとせ
)
ぞ詩歌管弦を
修
(
おさ
)
むれど
現
(
うつつ
)
に与へし名残は知らぬ
9
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