祭り明け 赤色紫陽花 一人帰路 目の前広がる 水槽世界
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熱波師のライバル現る日本のごく普通なる八月初旬
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今日もまた 危険なリスク 省みず やってしまった 愚かな私
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流水麺袋サラダとサラダチキン火も使わない独り夕食
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これからは並んで歩く 臆病になってもいいよ ずっと、約束
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挫折さえ必要だったといえるのはあなたに出会う足跡だから
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新しい輝きを今見つけたら次はわたしが手を引く出番
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こんなにも世界を信じられるのはあなたがわたしの手をつなぐから
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叶えたい未来のわたしに会いに行く 大丈夫 明日あすは今日のすぐ先
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カラオケがカラオケとして機能する おふとんのあるカラオケだったな
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五千円買っちゃおうよと言ったのはしばらく会わない関係だから
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ごろん でもぜんぜん眠らない僕ら 星を見るためコンビニに行く
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いいことが わかった日には ルンルルン 鼻歌交じりの 嬉しい悲鳴
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こうやって君と一緒に死ねたらな 百年先のしずかな夜に
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ていねいにおふとんかければていねいに今日がだんだん終わっていくね
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暑いから散歩キャンセルした今日は自戒を込めて飲むはノンアル
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午後八時 熱冷めやらぬ小夜風さよかぜに揺れる白百合 一服の涼
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それぞれに酒飲む理由はあるにせよ飲んでしまえばみんな同じさ
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庭を掘る 海の余波なごりか 殻鮑からあわび 螺鈿らでんの虹で 土塊つちくれ飾る
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夏空に 音なふ花火 開くとて さりゆく光 のこる短夜みじかよ
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狐の嫁入り てんき雨 駆け出して 化かされついで 虹さがす
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日々痛む 病の指を嘆くのは 知らない人が見るこの場所で
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さざなみに落ちた日暮れのこがねいろ 摑み損ねた宵を反芻
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エアコンに冷えた体で外に出て 「あったかい」などうかつにこぼし
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冷房やシンシンとして肘痛し つけずに亡くなる人もゐるらし
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酷暑ゆえか冷房きき過ぎ我が社内 カーディガン着るなんといふロス
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冷や汁と麦とろ丼を食べ終えて今日の仕事は全部お終い
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猛暑日の 恵みの雨も どんどんと 湿度も上がり 寝苦しい夜
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背徳感すする激辛ラーメンを疲労度計が振り切れた時
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この頃は、体がいちばん謎です。微熱は出るわ体重減るわ
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