この熱気苦しくなる程息も出来ず我の心も警報級へ
8
夕焼けに溶ける薄青涼しげでどうせなら見たい爆発青空
5
不合格 狭き門なり 火の設備士 されどならねば  我が家の危機よ
6
家の中裸で過ごす心地よさ肩で風切り歩くリビング
8
憎しみは何も生まぬと知りながら目の前にいるあなたを憎むか
6
苦しいの? そいつらみんなころすっピ あたまのなかで タコピー煽る
7
40℃大地の釜でじっくりと 脳細胞がぐらぐら茹だる
7
おじさんの象徴だつた股引きがないとズボンが履けぬ汗かく
11
室外機大きめの蛾がとまりけり今年最大納品終ゑる
11
広瀬川線路のわきを流れをり朔太郎ゐた時代ときは滔々
12
五差路ぬけ新規営業下町の風かほる空電線多し
13
お揃いの 薄茶のパジャマ キミと着て 背中合わせで チューチューパピコ
7
演歌ありロックもありの多様性昭和六十二年の曲聴く
10
トタン屋根鳴らす雨音廻る布団 やっと干せると詰め込んだのに
7
低木の滴る緑連なりて伸びゆくここが旅路の終わり
10
暑すぎる警報級の今日でさえ君の面影追う筋トレに
8
現世うつしよの痛みはすべて泡沫に あたたかい手にそっと触れよう
20
追い風を 受けてボートを 漕ぐ吾子ら 応援せし日 今は懐かし
22
友人が詠んだ短歌に目もくれず自分の作を褒めて欲しがり
10
私いつ報われますか本当に行けるんですか天国に
5
ひるまでは つく前ミイラになりそうで やさいかいだし ゆうがた予定\チャリンコ
18
抜け殻を拾い集める朝六時 わたしの夫は大きな家守
12
かぶたかく 日米ともに けいきよく原発ふやし 業火な地球\原発再起動のうごきと増設計画 データセンタ。 大量生産と温暖化
12
猛暑日を行くガリガリの野良猫は「うちにくるか?」に振り向きもせず
18
時の中 満ちて欠けては 詠み生まれ 丸く見えても 真円でなく
9
あすこそは あめがふります そこかしこ きたかぜふけよ 降水帯 ちぎれ
16
たしかさは 要らぬものだと 知っていた あれば使うが 無くも困らず
8
とうふなら みんなやっこで たべちゃって しなびたなすび マーボーにいれる\修正しま。
16
鬱憤は吐き出しましょうなげましょう圧力鍋が破裂せぬよう
21
自分より大きなパンくず運んでるアリが往来する夏の庭
12