ゴールデンウィークなればと言はれても週休五日の老いはルーティン
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川向こふ山藤垂れる木立にて今日聞くウグイスいと美声なり
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ぎこちなき 初鳴き頃の鶯も 初夏の頃には名人となり 
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ハルシオン バターナイフでひとすくい プレイステーション 羊頭のセスナ
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寒くても寝返りしてもほろ酔いの幌が剥がれて鳩に宵乞う
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あまりにも早くくる春,買い置きの包みのなかで枯れてしまった
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長くてもいいよアナタを聞かせてよヨボヨボになるまで話そうよ
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世紀末生まれのぼくも吞み込んで世界を変えろ令和世代よ
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人生を決定できる人になりたかったと食うジャンクフードを
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夜毎よるごとの薬を切らし這い出した 毛布の外はちょっと寒いな
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一日が あっというまに 過ぎていき 今年も残り 三分の二
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悪性のしこりを胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
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新しき令和の「アン」の登場に広がる世界をまた楽しまん
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旅先の 真黒まくろの空に 二日月ふつかづき かげなる球形すがた おどろに浮かび
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はじまりの熱が恋しい 色あせた本の頁を片手間に繰る
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甘い物欲す身なれど独り身で買っていいのか柏餅とか
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葉桜の土手の下には春紫苑はるじおん 愛でられずとも揚々と咲く
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彼の人の背中をきっと押しただろうあなたの背中を見ている私
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連休は 大掃除とか 断捨離を できたらいいな (する気はないな)
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幾千の冷たい手に包まれておんなじ病気で君と死にたい
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掻きむしり真白の頭蓋を空に見せはっきりとした曇りに烏
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寝ることで ワープリセット 逃避でも 一回休み これでいいのだ
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あちこちと動けば猫もそちこちと磁石みたいにくっつき踏まれ
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連休に 出かける予定 ないけれど 食料だけは ゆるく散財
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待ってくれもう少しだけ待ってくれ 無事是貴人の域に入るは 
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新緑の隙間に見える青空に犬とステップ尻尾はタクト
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年取れば時の流れは速くなり今年も過ぎた三分の一
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休み中やりたい事はあったけどうまく行かずに今日は寝ちゃった
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湯くぐりて この時季ときはなつ芳香かな わさびの葉花おひたしにして
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鍵を挿す乱暴な仕草あの子にもそういう扱いかたしてるのね
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