春のころやっと歩いた下の子も冬には風を切って小走り
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消えたい夜打った言葉は明日の朝消したい歴史に変わるだろうに
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もの思ふとき浮かぶのはあの人で 画鋲の痕は埋まらぬままで
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母親がココア飲みたいリクエスト 寝ぼけ眼の午前二時半
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眠りたい夜に限って読む本が脳をつついて二時を彩る
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眠れぬ夜隙間から来るトラウマを半分にしてぬいぐるみにする
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また裏目 裏目、裏目、裏ばかり このうらをおもてにする人生
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あの喧嘩が笑い話になったから僕らふたりは過去になった
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シーズンが 始まる前も 変わらずに 野球の話題 そして球春
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潮風と 石油の匂いが 吹く波止場 午の港は 帰郷の様相
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夢の跡 見たさに眠る朝7時 このまま死ねたらしあわせなのに
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春の陽に背中を押されさよならを告げた私にもう迷いはない
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あの頃の自分にさよなら告げようと覚悟を決めた春の日の午後
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暗闇の中で煌めくシャンデリア五色をうそぶく悪魔の手招き
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花束は時の流れを閉じ込めて夕暮れの空にそっと咲き誇る
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静かに日々を彩る花束をそっと抱きしめ愛おしさ知る
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頬染めて夕日に溶ける花束よ明日はきっと、違う花束
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晴れ空が沈んだ心照らしかけ激しい風が憂いを飛ばす
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昨日きぞの嘘すぐに上書きしたくなり人差し指が✕を押してる
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日曜に雪が降るかという予報慣れぬ吾らは心せく日々
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えっコンソメ 半個足したい時とかない? そんな時 鶏ガラガラスープ突っ込みません??(笑)(ねこ母は普通にやる‥w)
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二分割 いつかその日がくるとして ぼくの名前も置いていくのか
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君に似た野菜を焼いてしわしわに萎えてく俺も俺の心も
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ファミレスの表に書かれた珍しいあなたの苗字と数字の二
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珍しく飯でも行かね?なんて君私の腕の傷には触れず
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陽光の明るさ透かすその先にぽつねんと立つ長身の君
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靴を履き靴を履き替え靴を脱ぎ靴を履いてはまた靴を脱ぐ
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靴は革が化けてるもんで革靴はだったら頭痛が痛いみたいや
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靴箱に見慣れない箱 物心さえないころの私のおくつ
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空っぽな私と君で空っぽを一緒に埋める旅に出ようよ
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