げんぱつは 最大震度 想定も くりかえす余震 そうていしてるか? /経時劣化
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小ぶりの手 菜箸さえも手に余り バターソテーで指の付け根、ダル
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いつになったら慣れるのかこの暗闇は夢か現か幻か
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野良猫が 時間を刻む 足取りで チクタク歩く チクタク歩く
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終電でホームに降り立つ02れいじにふん 改札まで・・はまだの僕
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のとのひと さんぱくよっか おんせんに それからさきざき ぎょうせいそうだん
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運命の 赤い糸なんてまず無縁 結構! 動脈でこと足ります
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心臓を ほどいて一本の 糸にして マフラー編んで 貴方に巻いて
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珈琲が飲めない私にはカフェモカ後のキスも苦すぎ
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二時間後雨の国へと降り立つ予定キャビンの中は蜜柑の香り
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明るくていつも優しいあなたにもあったのかしらグレーな季節
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同窓会来てる奴よりむしろ来てない奴に会い話したかった
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笑顔がさしんどい時は無理しない 自分の気持ち閉じこめないで
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焼き芋屋の軽トラの中で抱き合って二人はおならを我慢している
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悲しみは地下のパイプで運ばれてみんなの家のお風呂に溶けます
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このトイレにはトイレットペーパーと涙以外は流さぬように
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ショーウィンドウの隅で悲しい目をしてる案山子屋さんの鳥の剥製
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川底に沈む詩人の頭蓋骨 私の魚はそこで待ってる
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みたひとの心の澱のひとつでも掬ってゆけよ低い三日月
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高校はつまらなかったはずなのに思い出ばかり輝いていて
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「おいしい?」と訊かないでくれ「おいしい」の答えだけしか許さないひと
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1ホール食べるのが夢でした でも今は分けたいひとがいるのです
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はや十日今年もぼくは生きてゆく四季を跨いで生き恥晒し
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犬の縄張りが目に見える季節
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弱っちいわたしの心なおせぬが ダメなこととは思ってはなく
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許してね 帰省最終日ちょっとだけ機嫌悪いの 故郷ここにいたくて
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宵の刻 やかんに火をかけ湯気が立つ いいよね君は 身軽に翔べて
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倖せと背中合わせの仮初めと刻まれた傷道一本に
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ざくざくと白菜・人参・椎茸をスープにするよ冷える夜だよ
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俺の名はイッパイアッテナという猫と交差点にいる泣き終わるまで
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