夜に鳴く「ひーひー」の鳥ならトラツグミ? 鵺の正体これなりと聞く(のののさん、太田さん)
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鯉のぼり絶滅危惧魚ほぼ見ないバッサバサいう音も聞きたし
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幼き日 亡父ちちと入った菖蒲風呂 根の香を嗅いで葉笛を鳴らし
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菖蒲の湯 鮮緑の葉の根元には 薄紅色と幽かな香り
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傾いた陽透かし若葉火のように光り輝く誇るが如く
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空いている五月五日の道と店今頃皆はどこで何して
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廃校の桜のもとを訪れた眠りをさそう春の静寂
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ネモヒラは地平の果てまで淡く咲き蒼き海へと溶けて重なる
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ああせわしおでこにメガネ顎マスク探しまわりて一日ひとひが暮れる
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見渡せば木立の中の木漏れ日に白きシャツ着た在りし日の夫キミ
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リボン付き華やかサンダル レースソックス 1日くらいは姫の気分で
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ゆふいんで買ってもらった シルバーの 猫ネックレスなど用意するべし(新婚旅行の時のん)
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「まずは、ありがとう」震えるきみを見て気づいたぼくは加害者だった
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スイーツ好きな訳じゃないあの色とりどりの奇跡が何も残らなくなる切なさが好き
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どの恋も全うせずに散らしたの散ってゆくのがこわかったから
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昼寝して 日付変わった気になって 一日(ひとひ)に二日分ビール飲む
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鵯が卑しいのでなく その声を漢字の音に当てはめただけ
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ぬゑの声 火ーとあるいは死-と聞き 自然の畏怖を胃の腑に落とす
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アヴォカドの種をうずめて幾年か 花が咲いたらレモンの花だ
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立夏の強風かぜ「鯉のぼり逃走にご注意」と どうすりゃいいの 気象予報士さん>天気情報みて噴いた(笑)
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初夏の日ざしは恋の予感にてはるかに見ゆる人妻のひと
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息子の子我に似てると告げられてちょっと嬉しい我に気がつく
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今更に昔の想い聞かれてももう戻れない人生の岐路
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あと半周 揺れるふたりの密室を切り落とすようにきみへの着信
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手の中に あなたが隠す 嘘の香と 五月の風が 鼻腔に残る
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姿なく 「ヒーヒーヒー」と 聞こえおる 野鳥とりの名前ぞ ついとわからず
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溶けむる 菖蒲の香の入浴剤 海色の湯に 姪っ子とわれ
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今週末プラネタリウムもいいけれど、本当の星を見に行かないか
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君の短歌うた心のメモにそっと書き読み返せばほら笑顔になれる
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それなりにやってきたよと 十年目 九十九髪まで共にいるかな
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