分量を間違え出来たゼリーにも似て定まらぬ暮らしをしてる
9
テレパスが使えたらとは思わんが 少しは知りたいその胸の内
8
とこしえの眠りを勝ち得た祖母を見てわれもなりたし三十路は願う
5
執念で勝ち点一のサムライよ 今日も女房に勝ち点三が
19
何十回 いや何百回 ひやりとす 生まれ育った 地震大国
10
寸足らずズボンの裾を忘れさす チョコレートパフェの美しきかな
3
ガチャコチャと広い工場一人だけ 社会の歯車それさえなれず
7
珈琲と ナポリタンから 立つ湯気に オープンカフェで 風を感じる
25
経験は 必ず道を 拓くから 君に伝えし 上司の言葉
20
人の目を見て話せないぼくは「人と話したい」って嘘をついてる
7
積み上げた 信頼必ず 裏切らず 友の母から かけられし言
18
揺れ来ても吾を気遣う人もいず震度の知らせただ届くのみ
22
初夏に咲く君の好んだ花の名を思い出せない確かカタカナ
8
触れてみて溶けていく様氷菓子結びたいのに音だけ不足
5
「明日から」そんな言葉で締め括りあなたもわたしも生きていくのだ
27
海見たく のぞみ飛び乗り 藤沢へ 友の母待つ 夜のカフェかな
14
健診を終え気兼ねなく美味そうに菓子食む夫の笑顔可笑しき
28
溜息の 多い自分を 部下憂い チョコと珈琲 休憩促す
22
池からの 式の写真を 見つめつつ 君が幼き 笑顔を想い
12
アイデアの 頭の整理 遊歩道 歩き考え 答えを出して
19
雨催あまもよいて泰山木の匂い立ち ぽとりと落ちぬ白き花びら
15
鳥の鳴く 露天風呂には 白樺が 陽を遮りて 木漏れ日の落つ
22
梅雨明けぬうちに伸びをる さき薄紫の百合 «アガパンサス»や
26
食欲で命繋ぐも 歩行ままならぬ老犬抱へ 夕涼み/追憶
19
万引きの常習犯は呟きぬ 「セルフレジではスリルがないわ」(社会派ヒューマン短歌改)
11
隠してた私は実はバイリンガル 東京弁と大阪弁の
17
びょっビョっびょっ スマホは律儀に暴れたり 「ついに来たか」と覚悟で座り
13
ベテランは朝の仕打ちのバランスを 夕のお燗で引き算にして
12
お話しが お話し紡ぎ 過ぎてゆく 結末などは 知る人もなし (※)六・一八 改訂しました
14
ただ俺は キミが好きだと 言うだけよ 理由がないと 不安だとキミ
3