ゆびさきで からだもこころも ほどけてく ぼくをおもって なぞってくから
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桜散り、舞う花吹雪どの空へ、飛びしあなたは戻らぬ旅路
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あの人へ 想ひ伝へることもなく 三十一文字みそひともじしたたむ本音
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ふたりきりなのに音楽聴いてるの?別にいいけどちょっとつねるよ
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SNS見ない わたしが亀ならば手足を縮めるだけでいいのに
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お嬢様、あなたと一緒の時だけは「けど」を「けれど」に言い直したり
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ベランダが きれいになってた 掃除する 手間が省けた 大雨の後
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これがきみ、って送ってくれたリンク先 春の陽だまりみたいな曲だ
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同じ顔してるねきみの犬ときみ 人間だから強く撫でるね
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我が家では餃子を包むのはきみできみを包んで撫でるのはぼく
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向かうのはどこでもいいよ話してるときの目のなかに景色を見てる
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うしろ手に金具をとめる 背を伸ばす やわらかい腹 でもいとおしく
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さわったりなでたりしたいやわらかい気持ちをみんなどこで拾うの
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その様子じゃ知らなかったんだねぼくがきみのAlexaと呼ばれてること
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5時ちょうど 音の鳴らない秒針に合わせて閉めた家出するドア
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ずっときみのリュックの推しの缶バッジについてったはずが知らない子だった
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あなたにもらった4色ボールペン黒が出なくてもあなたはあなた
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手をあげてゼブラゾーンをわたってたころはどうにも死にたくなかった
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ぱんぱんの鮭のおなかをかっさばく咎人たちよ痛風になれ
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涙とは小さな海だと言うきみへ ぼくにとっては海が涙です
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夕焼けの鐘が鳴っても公園にいてよくなって子どもは終わる
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今すぐもいいのだけれどそのような気になってからしたいすること
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元彼と 名乗る男が また一人 愛は盲目 犯人はオレ
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寂しさと羨ましさと憧れで足の踏み場がなくなっていく
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葦鴨あしがもの うちれ遊ぶ水邊みづのへに かはづの鳴けば夏の立つらし
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首疾患の上歩行が遅れがちプラス思考で夏の筋トレ
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土いじり庭隅の土を裏返す昼寝のミミズに謝りながら
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燕が宙返りしてそら眺め、 上向きに飛ぶ希望に燃えて
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一言も発しないまま二日間ベッドでスマホいじくるだけの
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時折に訪ねくる息子の腹回り気がかりなれど甘味勧める
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