コロナとか 戦争とかで 統制が 美徳とされる 暗黒時代
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心ない 大人がやたら 張り切って 子供が疲弊 監獄のよう
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自由とは 抑圧された 状況で 小さな子でも 欲しがる宝
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理想とは かけ離れても 諦めず 忍耐すれば いいことあるさ
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アレルギー 治すためには ただ一つ ハウスダストの 家を引っ越せ
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強さ増す 向かい風さえ 耐えるれば 君に会わむも 難きは無かれ
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編みかけのセーターどきつふと気づく静寂の中雪積もりをり
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過ぎし日の想ひ出辿ればいつの日も季節も色も吾の中に在り
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北国の 春が近づく白梅の つぼみ開きて匂ひ香りけり 
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ふたとせ経し旧機のOS替へてやり「まだいけるぞ」と喜寿なる我は
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加速する流星群と白内障 日記にあなたの涙がぽつり
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唇をシャワーのように震わせて君には夜景としての夜刑を
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荘厳なる城そびえたりたかだかといやおそろしき空への階段
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声が聞きたい 声が聞きたい 声が聞けたら回る毒 酒 風車
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満月の病室からも抜け出してオペラ座的な動きで救う
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宣誓 早口の 高身長の レディース達へ光が指すよ
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これまでを生きた人生振り返りつぼみひとつも開かなかった
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白い息吐いて貴方と歩く夜こぼれる赤い椿と想い
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たくさんのお疲れさまを運んでく電車のライトひかる踏切
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どうしても爪の先から香る冬部屋でぬくぬくミカン剥いてる
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夜明けから川を渡って進みゆくオールに縋る白い手の豆
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稀に見る 少ない雪に 今年初 ちゃんと雪かき ママさんダンプ
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大切な あなたを虐める世界が憎い どうしてやろうか泣いてやろうか
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日常は苦しくなくて怖くなる 頭から落ちる夢を見た日に
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叱りたくなる時自分に言い聞かす「子ども叱るな 来た道だから」
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玄関でランドセルの君見送って 今日の寒さを肌で感じる
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遠慮なく至近距離から投げてくる 君のボールが捕れなくなって
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息も浅いような刻の隙間には還りたくなる水の中へと
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根菜を朝から仕込み仕上げたる夕餉のおでん何かが足りぬ
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土壇場どたんばことわりきれずけた 鈍足どんそくなのにあかのアンカー
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