うわの空私笑いて膝の上落されたらしパインキャンディー
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雨降らば茶色く濁る泥川の河辺に咲ける白き水仙
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こたびこそ根雪ならむと思ひしに三度目みたびめの雪もはや融けにけり
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女房と孫娘ふたり 三人で消えた ルミネのショッピングかな
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体調の良さそうな祖父 血圧の細かい数値気にしなくなり
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女の子の数だけ店のあるやよし 立川ルミネにひとり彷徨ふ
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「たまにめちゃ伸びる」といふ孫の背の ほどなく我に並びて抜かん
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何だって遊べる程度のセンスがいい楽器のひとつも弾けたらいいのに
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クマさんに保護区を作ってあげたいね人と争ふことのなき世を
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珈琲や ココアにお茶 せわしくも 飲み物あれば ホッと一息
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幸せな花を眺めて雲陰り いつかはかれると知っているのに
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年の瀬に市場群がる猛者もさたちを成敗したいこの大根で
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丸々と太った真鴨を間近で見 捕らへて喰はむと悪心起こり
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好きなのに嫌いだなんて言って抱えることになる無意味な感情
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駅に着き電車のドアが開くたび 冷気刺しくる、はよ閉めてたも
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人の体温を感じたくなって自分の体を触る 何も
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迎えたいハッピーエンドはあるけど 予想を超える君が好きだよ
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信号を待ちつ 街路樹の切り株に 腰を掛けをる 杖持つおきな
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生まれ落つ場所時親も選べ得ず死ぬる場所時因も等しく
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我もまた「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」と/カフカ
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猫が居たのそり横切る何も無い屋上だって生きてゆくかな/ショッピングセンターの
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宇治行きの 特急見送り 伸びをする みかんも食べた 今日はそれでいい
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ヤクルトのバイクは愛が満載だ働くママが元気を届け
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鈴なりの黄色い果実が繋いでる乾いた土鍋に浮かぶ景色を
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ライブ衣装 洗濯回し 乾燥に 夢は覚めない 未だここに在る
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壁に穴母の眉間に皺ふたつ少年たちは大人になりぬ
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おとうちゃん いないときには おざぶのる ちま猫ちゃんも ここがよいのよ
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眠れずに二時間いいえ三時間白い病室繭にはなれぬ
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長嶋もジャンボ尾崎も釜本も昭和がゆつくりとけてゆく冬
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接客がめちゃめちゃ良くて建付けが死ぬほど悪いトイレのコンビニ
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