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世界中全部の幸せキミのもの 今年の地球にサンタはいない
3
イライラと している自分 情けなき 子育てなんと 難しきこと
9
夜八時坂を登って空を見るもうすぐ帰宅月は半月
5
いつもよりずっとやさしい激しさでさわってほしい夜長の素肌
2
「カンカンカン」踏切見下ろす坂の上 攻め駆け下る一ノ谷かな
10
黄昏
(
たそがれ
)
の余韻残さず沈みゆく秋の夕陽の
潔
(
いさぎよ
)
きこと
26
完璧な悲劇に混ざる美しい犬をひと撫で全部忘れる
8
水野美紀水野真紀から酒井美紀坂井真紀から堺正章
9
迷っても正解いっぱいあるはずで阿弥陀くじなら何度も横へ
9
「疲れた」と呟きながら息を吐く 吐いてしまえば後は吸うだけ
12
目覚めると傾いている写真立て 慌てて写真に戻ったみたいに
23
眠れぬ夜 囂しかな 虫時雨 白む夜空に 夢を描いた
8
味噌汁を 美味しく思う 秋の朝 四季折々の 自然
愉
(
たの
)
しむ
26
種無し柿 きれいに洗って 皮ごとで クリームチーズは 今日は忘れた
14
眉の毛に一本長い松葉あり「長生き君」と名付けておこう
7
邂逅は常なる内の
泡沫
(
うたかた
)
に ひそやかな
色彩
(
いろ
)
耳目澄ませば
12
「肌寒い」 「人恋しい」の言い換えか ポケットの中 肉まん
温
(
ぬく
)
し
18
秋夕焼
(
あきゆやけ
)
眠り落つ 帰りの座席 目的駅を 聞き逃さぬやう
18
わたあめにしては重い雲が遠くに 降ればお休みさめざめと雨
2
乳飲み子の 仕草ひとつの 愛しくて 声あげ泣けば なおも愛しき/改
11
もしかして 君は僕より 少し過去の 残像と話しているのだろうか?
9
歌割りが少ないあの子 一瞬の輝き待ってしまうなら恋
6
ブラジルと日本で同時にバンズが落ちて 一瞬生まれた地球バーガー
10
ゆずりあい ゴハンのじゅんばん まてるのよ ねこにもあるよ 「ゆずりあい」のココロ
16
性欲が金欠により抑え込められることはなく熱帯夜の一人
6
目の前でリップクリームを当てたなら始まるに決まっているだろう恋
5
風止んで肌にじっとり夏の残 凪に躊躇う秋待ちの雲
14
流し目の団地の陰にまんじゅしゃげ 毒の噂はほんとうかしらん
14
横にいて 話してるのに 上の空 LINEの向こう と繋がっている
6
海崖に荒波打つる東尋坊聴きしに勝る柱状節理
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