新天地初出勤を無事終える まだ戦えるまだ戦える
12
届きたる 道着に袖を 通す君 かったい生地にも 気合いを入れて
9
離れない流氷こおりのせいか北風のやけに冷たい卯月朔日
30
本当に あなたがわたしに くれたのは すべてが嘘で あったということ
4
壊れてるチャリのライトは雨が好き雨の日だけは必ず点いて
24
ともだちに 賞味期限ってあるのかな ぱくぱくもぐもぐ一人はさみしい
4
二日振り 出された夕餉 三分粥 ほんのり塩味こころに染みる
20
テレビから無意味なギャグが流れおる無言で食す夫婦の夕餉
23
鉛筆を折って布団を切り刻み水飲み干して自分を守る
5
深煎りの豆を貰えば粗く挽く僅かな手間で吾の好みに
6
脳みそが馬鹿になってるから今朝もあの子の影を踏み間違えた
6
今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
25
伝えてね 伝えていいと 思ったら もう伝わってるよね なぜ聞きたいの
4
未来から招待とどくキャンパスに返信切手の花びらを貼る(春)
14
春の気を鎮め潤し降る雨に 心置きなく深呼吸する
27
生きてゆくわたくしだけの役割を果たす私はわたくしらしく
24
散り散りに緑の光消え失せて望み通りに摘まれた蕾
7
経済が 能力有無を 決める今 追いやりましょう 貴方は貴方
13
空に消ゆ打ち上げ花火明日あすもまたいくらか命 生々流転
6
賽銭の小銭足らずをコンビニの一番くじで崩した小僧
4
春の花はどこか心に遠けき儚き色さえ吾にも重ねつ
5
いつかまた帰ってくるか知らないが春泥棒にまたねと叫ぶ
8
風の音は多分明日も聴こえないそんな夕焼けに手を振ってみた
6
真新しランドセル背負うひい孫の写メを写真の夫にかざせし
34
眠りたる社会科準備室の窓際に色褪せた地球儀と午後
6
不足なり 過剰なれど エンドルフィンのうないぶっしつ 精神を病み 国をついばむ ※「エンドルフィン」=「脳内麻薬」
9
人生を舐めてる五十路の先輩が、渡してきた使いかけのホッカイロ。
5
数十人を巻き込みし亡母はは四月一日エイプリルフール 仰天の遺伝子我に有りや
15
実体の無きまま ふわりとした君に 暁あかつき逢ひぬ 黄泉よみを旅して
29
山肌を 染むるとばりの 残照に 君の面影 重ね映さむ
11