うたくずを拾えるときは胸郭の内||オア外が雨降りのとき
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手蔓藻蔓テヅルモヅルのゆびさきは 嬰児籠えじこ やさしさ帯びてもだにたゆたう
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少年の朗徹去りし五線譜は降りて感傷過多のヘ音に
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音楽と缶チューハイと夜がきて心はやっと水得た魚
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母子手帳 どんな子供にも 寄り添って 成長見守る 暖かい人
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私には 泣き顔見せて いいんだよ もう我慢なと しなくていいの
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照らし出す おてんとさまは いつだって どんな僕でも 光をくれる
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二人がけ ソファーにそっと 手を伸ばす この沈み方 君のなごりだ
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むなしさが背中に覆い被さって動けずにいる西日射す部屋
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かみさまが宝石箱を落としたの?空いちめんにきらめく紅葉
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最初から境目無くて吹く風が描いていった秋の輪郭
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旅先の朝にこだます選挙カーうるせー知らねーFINALFANT ASY
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泪ひとつ零るるかたちの乳房には悲しみあらずほほ笑みてゐる
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葉と風の歌を詠みにしさらさらと目覚めて消ゆる夢のことのは
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アヲハタとアカハタ靡ける渾沌の中つ方にて狼煙上がりぬ
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街灯の下でクラゲが泳いでる透明な夜の透明な僕
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色づいた紅葉に乗って舞い降りた堕天使の名はショクヨクノアキ
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湯船にて居眠りしつつ思うこと 君は今どこでなにしてるの
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無意識にC'mon, baby アメリカと口ずさんではタリラリラリラ
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抱きしめて欲しい自分に気づけない せめてそういう僕に気づいた
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あなたとの 距離をちょっぴり 縮めたい 信号待ちで 小さな一歩
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失敗や クヨクヨという 虫たちが 僕を成長 させてくれるの
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相槌は 君の心の 戸を開き 言葉の魂を 開放させる
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目覚むればふたたびの雨墨いろの闇を叩き継ぎあしたを穿つ
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しづかなる詩人の言葉は声となり犬と猫のみ聴きてゐる午後
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さまざまなる民の素顔の通り交ふ街にこのも添へて歩ける
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削除したあなたの本音ツイートに数秒の差で届かぬいいね
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おしまいの合図雨傘丁寧にたたみ広げる晩秋の街
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僕たちを嫉妬・蔑視が引き裂いている構造を共に変えゆく
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重ね着を できる季節が やって来た 君への思いも 隠せそうです
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